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恋の花咲けども、

それが必ずしも良きものかと言えば、
そうでもないのではないか。

竜の右目。
奥州筆頭と共に双竜と畏れられる片倉小十郎は、酷く、頭を悩ませていた。


奥州筆頭・伊達政宗の根城の外。
だだっ広い庭で、蒼と紅の炎が激しくぶつかり合いを繰り返している。
渦中に居るのは言わずもがな城主・伊達政宗と「虎の若子」真田幸村である。

「―――して、政宗殿。貴殿は佐助を見てはござらぬか?」

姿が見えぬのでござるよ。
六爪と朱槍がまたぶつかり火花を散らす。
その言葉に政宗は小さく舌打ちをする。

「また猿飛の話か、最近そればっかりじゃねぇか」

「なっ、そんなことはっ…」

虚を突かれて出来た隙を政宗は見逃さない。
勢いを増した六爪を、幸村は何とか長い柄で凌いだ。

「そりゃそうと、お前んとこに風来坊行ってねぇか?」

「前田殿は見てはござらぬ」

朱槍が六爪を弾いて二人が距離を取る。

「…ったく、どこほっつき歩いてんだアイツは」

呟く政宗に、幸村はまた勢い良く地面を蹴って朱槍を振り上げる。

「そういう政宗殿こそ、前田殿の所在を尋ねるのは最近の口癖でござるな」

「shit!ナマ言うようになったじゃねぇか、真田幸村ぁっ」

六爪と朱槍が見えない速度でぶつかり合い、更に激しい火花が散った。


竜の右目。
奥州筆頭と共に双竜と畏れられる片倉小十郎は、
連日に及ぶ蒼と紅の手合わせと無自覚な会話に、酷く、頭を悩ませていた。










慶政で、佐幸。
※実はちゃんと相思相愛なんですが…一方で風来坊と佐助の話は折り畳み↓↓

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雨、そして雨。

雨が酷かったあの日。
すれ違った青年は、
まるで雷の行方を追うように天を睨んでいた。
肩に流れる艶やかな漆黒の髪。
一瞬中性的にすら見えたそれが、
後の奥州筆頭だと無論知るはずもなく。

奥州筆頭を初めて見た時には、
その髪は肩にかかる程度だった。
伊達の根城を訪れたのは気まぐれで、
運よく目的の当人が居てくれたことに安堵した。
(右目には門前払いを食らう可能性がある)
話を始めれば野暮はしないとばかりに右目は退出し、
用意された酒を軽く飲み交わしながら旅の話でもする。
それにしても、今日は随分冷え込んでいる。
戸の隙間からじわじわと入ってくる湿った空気。
不意に会話が途切れると、
妙に蒼は不機嫌な表情をする。
何となく、合点がいった。
大気が不安定に揺らぐ日を、
蒼は酷く嫌う。

「やることに追われてりゃあいい、」

ふと、手を止めた時にぶり返す。
見ずに蓋をしていたものが、
少しずつ本物さながらな質感を伴って。
それが嫌いなのだそうだ。
そりゃヤだな、と笑えば、
笑い事じゃねぇよ、と軽く睨まれた。

「そういや昔、アンタ髪長かったよな?」

その言葉に、良く知ってるなとばかりに蒼は目を丸くした。
「何で切っちまったんだ?綺麗な髪だったのに」
残念そうに髪に触れれば、
その手を嫌がるでもなく。

「…髪は、くれてやった」

と何の感情も滲まない声で蒼は言った。
「奴等は早くこっちに来いって手を伸ばしてきやがるからな」
蹴落としてきた色んなものが、
どす黒く濁った手を伸ばしてくる。
「だから、テメェはテメェの場所に帰れって、くれてやった」
無造作に掴んだ髪に刃を当てた。
「勿体ねぇなぁ…」
幾度も奥州筆頭の顔の蒼に逢ったことがある。
その度に見える髑髏。
辿ってきた道を振り返れば、
ぎっしりと屍が敷き詰められているに違いない。
その白い手は蒼の背に伸びて、
「此方」側に堕ちてくるのを嘲笑って待っているのだ。
「昔の俺なら、何でもくれてやれた」
それほどに大事なものなんて何もなく、
自分すらもどうでも良かった。
蒼は懐かしがるように目を細める。
「だが、今は違う」
「見てりゃ分かるよ、」
蒼は大切なものも、失いたくないものもたくさん抱えている。
両腕で抱えきれないほどたくさん。

(その中に、俺は、入ってんのかな…)

「死して残らねぇ奴等にくれてやるものなんざ、何もねぇ」

蒼の視線の先。
いつしか立ち込める霧を睨む様子に、
手にした杯の酒をまいた。
すぅ、と逃げるように霧は四散して。

「…俺が天下を獲るのが先か、死者に持ってかれるのが先か…」

蒼はそう呟いて嘲笑った。
「…どいつもこいつも、何でこう、戦ばかり好むんだろうな」
「自分の意志があるからだろ」
理想。
野望。
目的。
内に秘めた理由はみんな違う。
「それが出来ると思わなけりゃ戦はしねぇ」
負け戦と分かって手を出す馬鹿はいない。
誰かに天下を治めてほしくて立ち上がるものなど。

「…もし、俺はそうだと言ったら?」

誰かに…この目の前の蒼に、
天下を治めてほしくて戦に加わるのだとしたら。

「Ha!そんなのはただ食われるだけだ」

蒼は面白がるように言って杯の酒を呷った。
そうか、と頭を掻くと真っ直ぐな瞳がこちらを見ていて。
何?と問えば、

「…だが、俺は見捨てねぇ、」

それは心の中も見透かしてしまいそうな程真剣な眼差し。

「俺のために心を砕く奴は、最後まで誰一人として見捨てたりしねぇ」

それがお前でも。

(…そう、こうだから皆この男に心酔する)

憧れる。
付いていこうと思う。
最後まで、共に、戦いたいと望む。


あの、右目のように。


「…じゃあ俺がアンタを連れていこうとする悪夢から救い出すよ、」

頭を引き寄せて髪に柔らかな口付けを。
すると蒼は「そりゃ頼もしいな」と笑った。

どうか散る最期の瞬間まで、
この蒼の傍に。












蒼+風来坊。
今は未だ、恋愛より友愛。

…そもそも何の話だったのかを忘れてしまった。
間を空けるとそれはそれで考えもの。

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ネタ温存中

祝日なので引き続き1日1小話お休み中。

アニバサとスパコミの影響ですごく手広い無法状態になってます(※水城の残念な頭が)

なんか色々どうしよう…

1日1小話再開は7日です…多分。

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こうやって僕たちは、何もないありふれた平凡な日常に何か意味を探そうと必死だ。

※学園○サラ的な。


最近の日中の気温の高さに、調子に乗っている様子。


※続きはおりたたみ。↓↓

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暗躍する迷彩の、

影が、ひとつ。
最初の仕事がなんだったのか、正直覚えていない。
ただ外を走り回って、
幼き主にお土産でも買って帰ろうかな、
なんて考えながら人の波を縫うようにすり抜ける。
その時すれ違った隻眼。
幼い、誰かの手を求める不安げな表情。

「小十郎はすぐ傍におりますよ、"政宗様"」

政宗様、と呼ばれた名を頭の隅に留め置きながら
屋敷への帰途を急いだ。


それから幾年廻ったか。

「…血の…匂い…」

風に微かに混じったそれを感じ取って、風上に足を向ける。
木々の間をすり抜け、
血の匂いが益々濃くなっていくのに顔を顰めた。
そして視界に入る人影。
どす黒く染まる、蒼。

「…血の匂い…誰かと思ったら、アンタだったのか」

うつ伏せに倒れた「それ」は、
応えることは愚か身じろぎ一つしない。
死んでいるのか。
音もなく地面に降り立って傍らにしゃがみこむ。

(…息、はしてる)

不意に甦る右目のこと。
冷静な右目らしからぬ焦り。
大坂へ向かうことをあんなにも強く望んでいたこと。
領地を拡大していく豊臣の軍勢。

(…ようやく点が繋がった)

「…アンタの右目に会った、俺たちの方が手酷くやられちまったけど」
「…ぁ…」
小さく、竜が呻く。
「右目は大坂に向かったぜ、…アンタとの約束通りに」
凡そそんなところだろう。
でなければ、右目が主の傍を離れることなどあり得ない。
「…っ……ぁ、く…」
ギリっと血が滲むほど歯を噛み締めて立ち上がろうとする竜。
途端に大きな雨粒のようにボタボタと滴る赤い雫。

「おい、アンタの傷ふか「shut it!」

遮る声は敵意むき出しの荒々しい声。
その目は竜に相応しい鋭く獰猛なそれ。
「…小、十郎、が…待…て、んだ…」
あいつは約束を違えたことはねぇ、
必ず大坂に辿り着くと信じているのだ。
それは単なる主従とは違う、それ以上の深い繋がり。

(…妬けるな、こりゃ)

無理矢理立ち上がりよろめく身体を支えて。
不快なほどべったりと血がついたが、今は目をつぶる。

「それなら尚更、今のままで行くべきじゃないと思うね」

今の言葉は届いただろうか。
もはや抵抗する力さえない竜を、
腕に抱えて屋敷への帰途を急いだ。







 

 


右目←蒼←忍←紅。※オール片思い??
その後は折り畳みにて↓↓

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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
42
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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