monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
遅ればせながら、その他設定
『制約事項:世界の条件』
カオス:かつては人だった“モノ”。とは言っても人の名残は殆どなく、人型を残してい
る方が珍しい。言葉を聞き理解することはできるが、吐き出されるのは一定の音
のみ(言葉になっていない)。土気色に侵食されている。ボーダーラインの持つ独特
の狂気に呑まれてしまったなれの果て。“外”から紛れ込んだ人間がなり易い。
Dead Line:ボーダーラインに存在する最高幹部。何をする訳でもないが、ボーダーライ
ンの中で実力のある五人のことを総称して使われる言葉。繰上げ制で人が変わ
っても常時最強五人のことを指す。
離脱:ボーダーラインの最高幹部“Dead Line”から抜けることを表わす。理由は様々だ
が、死んだ場合は離脱とは言わず、新たな人員が追加される(繰り上げ方式)。
放棄:ボーダーラインの中での“死”を表わす。ただ殺されるといった死ではなく、ボー
ダーラインという世界からの離脱、という意味での“死”。放棄した人間がその後ど
うなるのかは誰も知らない。(ある種、自殺に似たようなもの)
流離:“外”からボーダーラインにやって来た人たちの総称。意志を持ってやって来た人も、
そうではなく紛れ込んでしまった人も同じ。
解(ホド)く:各自が具現化した武器なり、力なりを解除することを指す。具現化した本人
の意思によって自由自在に行なうことができる。
『行動範囲:場所』
“Border Line”:獅戯がバーテンを務めるクラブ。情報交換などが盛んに行なわれ、情
報屋の火滋の出現率も高い。料理は程々だが、お酒は間違いなく一番
旨い場所。基本的に何でも在る場所。メニューが続々追加中(笑)
“rAin VeIN”:水道管の集中地点の地下。常にこぼれる水が小雨の様に降り注いでいる。
カオスが住み着いているという、曰く付きの場所。地下は三階まである。
“Dead End”:通称・最果て。ボーダーラインにいる人間の殆どが憧れる理想郷。全てが
許される場所と噂されている。それを信じて放棄する人間も居る。
“FreE GLass”:透明なガラス張りの建物。何の目的で建設されたのかは不明。
“Box”:磁場の発信源である電波棟。電気機器は一切使用不可。普段は侵入禁止になって
いるが、中に入ることは容易く出来る。中の構造は単純。
“Out Line”:“外”とボーダーラインとを結ぶ抜け道の通称。“外”からボーダーライン
へ入ることは可能だが、ボーダーラインから“外”へ出ることは出来ない。
また、不規則に出現するため不慮の事故で堕ちてくる人間も少なくない。
“Base”:“Dead Line”のメンバーが自然に揃う廃屋。使われなくなった管財の置かれて
いる場所。入口には「KEEP OUT」のテープが張り巡らされていて、ノイズし
か発さないラジオがある。
死神通り:ボーダーラインの中を真っ直ぐ抜けるメインストリート。カオスはもとより、
人間同士の殺し合いが頻繁に起こる場所。かつては神津の縄張り(笑)だったこと
から、この名が通称になってしまった。
屋上 :廃屋の屋上で、ここから一番綺麗な朝焼けが見れる。最も空に近く、そこを揶揄し
て『楽園(エデン)』という人間もいる。
空家:ボーダーラインの前マスター幸の持っていた、隠れ家。獅戯と冴晞が敗戦後に使っ
たり、限が獅戯に銃を教わったりした場所でそれなりの敷地がある。現在では、その
鍵を獅戯が引き継ぎバイクを置いたりしている。
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遅ればせながら、登場人物紹介 ②
『人格破綻:登場人物紹介』②
・past・
冴晞(サエキ):獅戯の唯一のパートナーである日本刀遣い。物腰が柔かく、言葉使いも丁
寧。基本的に困った人を放っておけない性質。獅戯の良き理解者。控えめ
なところもあり、引き際の解る大人。言葉遊びでは獅戯も勝てない。黒髪(長
髪)に、こげ茶の瞳を持つ。獅戯より一つ年上。
幸(サキハ):獅戯の前の『ボーダーライン』マスター。獅戯と冴晞の世話を良く焼いてい
た人物。姐御肌でぶっきらぼうな物言いだが、よく気のつくしっかり者。武
器は無く、体術を得意とする。夜目が利き、素早い戦い方からかつては『夜
鷹』と呼ばれていた。色素の薄い髪に、茶色の瞳を持つ。
繋(カケル):“ボーダーライン”になる前からずっと此処におり、“夜鷹”に対して強い憧
憬を持っている。閉鎖されてからはその実力で幾つもの場数を踏んでおり、
相当の実力者。依頼に応じて、様々なことをこなす。獅戯と冴晞が組んでの
敗戦を知る人間の一人。
憬を持っている。閉鎖されてからはその実力で幾つもの場数を踏んでおり、
相当の実力者。依頼に応じて、様々なことをこなす。獅戯と冴晞が組んでの
敗戦を知る人間の一人。
茅種(チグサ):幸の実兄。“ボーダーライン”計画の総指揮を取り、幸たちを閉じ込めた
人。冷静沈着で頭のきれる人物だが、不器用。目つきがあまり良くないの
と眼鏡を掛けている所為か、冷たく見られがち。“ボーダーライン”計画の
功績により、良い地位に就いている。
茉咲(マサキ):当時29歳。篤抖とは特別な関係。神津を引き取って、傍に置いた挙げ
句散々仕込んだ人。性格は真っ黒で、気まぐれな猫気質。神津に押し付け
られるだけ押し付けて、『放棄』した(とされている)。得物はチェーン。
黄土色の髪と茶色の瞳。
られるだけ押し付けて、『放棄』した(とされている)。得物はチェーン。
黄土色の髪と茶色の瞳。
篤抖(アツト):当時27歳。紫闇の実兄。ボーダーラインについて熟知していたが、そ
の中で生きるための常識が意図的に欠如している。殺すなら殺される。
茉咲とは特別な絆が在り、煙草の銘柄が一緒。穏やかだが、どこか臆病。
髪と瞳は紫闇と同色。ただし瞳の光彩は紫闇の方が強い。
揚羽(アゲハ):限の恋人。『綺蝶』と呼ばれる刀遣い。何も知らずにボーダーラインに
迷い込んで来た。強い自覚は全く持ってないが、強い部類の人間をあっ
さり抑えられるほどの実力を持っていた。神津とは親友だが、神津との
勝負は全勝。蝶にやたらと好かれる。黒髪、青眼の男。
遅ればせながら、登場人物紹介 ①
『人格破綻:登場人物紹介』①
神津(コウツ):28歳。『死神』と呼ばれる鎌遣い。特技は料理の世話焼き男。何事に
も人並みに出来る器用さを持つ。腕に傷痕が多数あるため、基本的に腕
はあまり出さない。揚羽とは親友同士。している眼鏡は伊達で、時々色
付きのサングラスを着用。“えげつない”性格。薄黄土色の髪と赤茶の瞳
を持つ。
紫闇(シアン):27歳。『鴉』と呼ばれる日本刀遣い。限に対して強い執着を持ってい
る。刀は実兄を殺したことがキッカケで出来上がったもの(実際は殺して
はいない)。実兄と容姿が酷似している。残忍で、口が悪い。基本的には
三度の飯より女と煙草好き。黒髪に紫苑の瞳の持ち主。
限(キリ):19歳。『魔女』と呼ばれる銃遣い。冷静と言うよりは冷め切っていると言
った方が正しい。自分を殺すことのできる人間しか愛せない、という刹那的
感情の持ち主。恋人の揚羽を想い続けている。眼鏡はわざと視界を暈す為に
している。黒髪、碧眼の美少女。
火滋(カジ):15歳。『情報屋』と呼ばれる飛び道具遣い。ボーダーラインの中で最も
多くの情報を自在に扱う、最年少。親切で優しい。動体視力が良く、唯一
紫闇、神津の太刀を視る事が出来る。能力を開花させてくれたのは神津。
紺色の髪に群青色の瞳を持つ。
獅戯(シキ):45歳。『ボーダーライン』のバーテン。元凄腕の銃遣い。限に銃を教え
込んだ。現在でもその実力は健在で、デッドラインとは互角かそれ以上。
常にサングラスをしているが、目が見えるだけで大体の人間は威圧できる。
基本的に傍観者の立場にいる。口は悪いが冷静で大人。こげ茶の髪。
氷響(ひびき):18歳。高校では陸上部に所属。帰宅途中に車に轢かれそうになった時に
アウトラインを通じてボーダーラインに堕ちて来た。明るく元気な性格で、
表情のくるくる変わる少女。前向きに努力しながら、溶け込んでいく。子
供っぽいところはあるが、人の機微に敏感。茶髪にこげ茶色の瞳を持つ。
杏子(きょうこ):32歳(推定)。大人で聡明な美女。人を探して“外”からボーダーライ
ンにやって来た。言葉遊びや駆け引きが上手いが、純粋で素直な一面も
持つ。人探しの為に神津や紫闇に接近するが、確実な真意は謎。黒髪に
こげ茶色の瞳を持つ。(後の武器は朱色のショール)
Ⅴ.“底”は“BORDER LINE” 4
茉咲はそんなことがあってから数年して姿を消した。俺の目の前で消えたはずだから、多分『放棄』したんだ。あんなことの後だから、何となく予想できたところはあるんだけど。
でもあの人は“此処”に居続けた。お陰で、俺が茉咲からあの人を押しつけられた様な形になってしまった。
「――――まだ、死なないのか」
苦痛に表情を歪ませながら、あの人は言った。もう何度目か分からない。あの人は“此処”での常識が意図的に欠如してる人間だった。奇跡的に一度だけ、あの人が刀を抜いたところを見たことがあった俺は、その強さとあの時に感じた圧倒的な力を忘れていない。それだけの実力を持っていながら、あの人はカオスを殺すことが出来なかった。
「…紫闇は?」
「此処には居ないよ」
俺は部屋の窓際の壁に寄り掛かって、座っていた。
「追いかけようかな」
「そんな状態で何言ってんの」
俺の言葉にあの人は笑って、
「でも紫闇はまだ…刀を遣いこなせてないから」
と言った。紫闇はあの人を意図的に避けていた。その理由は俺にも少しだけ分かる。カオス如きを殺すことも出来ないくせに、紫闇より確かでしっかりとした像を持った刀を具現化させられちゃあ苛立つのも無理のない話。あの人自身もその理由には気付いているんだろうが。
「今の貴方よりマシだ。毎度毎度そんな有り様で、不器用にも程がある」
俺は嫌みをたっぷりと込めて言ったが、あの人はただ軽く笑っただけだった。
「紫闇は僕より不器用だ。…でも、君はそんなに嫌いじゃないと思うよ」
「何の話?」
「紫闇に忠告してあげてくれないか?」
あの人は真剣に俺を見てくる。
「…助けてくれ、とは言わないんだ」
「忠告してくれるだけでいい。それで何かあったら、それは紫闇のミスだから」
俺はあの人に近付いた。
「貴方はそれでいいのか?」
「今まで、ずっとしてきたことだからね」
「じゃあ、貴方がすればいいんだ」
俺はあの人を睨んだ。何で俺があの人の願いを聞かなきゃいけないんだって、思ったから。
それに応えたあの人の言葉はとても静かだった。
「…できるなら、言わないよ」
そういってあの人が俺に見せたもの。それは侵喰の始まった腕。
「…知ってたのか?」
茉咲は。
あの人はそれに答えず、ただ苦笑しただけだった。
「茉咲は全部俺に押し付けて放棄(イ)った…貴方も」
「否定はしないよ」
侵喰の始まった腕。あの人の身体が、いずれ心すらも…歪んでいく。自我を無くし、狂った先はすぐ傍に在る。
「今夜までだ」
その時、あの人が意図した答えが俺には分かった。
「今夜までは、僕は僕の意志に従う……内緒だよ?」
その夜、あの人は紫闇に殺された。真実は、殺されたようにして『放棄』した。紫闇は自分が殺したと今でも思ってるはずだ。俺はあの人との約束を律義に守ってるわけじゃなくて、ただ真実を言うことの必要性を感じなかったから。でもその事実を紫闇が知った時、紫闇はどうやって壊れていくんだろうか。それには少し興味はあるけど。まだ今は…もう少しからかっていたい気分。だって、…嫌いじゃないし。
「―――見ろよ、俺の刀」
あの人を殺した夜。紫闇は以前よりすっきりとした日本刀を具現化できるようになっていた。それはあの人のものとも違う像。だが、しっかりと紫闇の手に馴染んでいた。
「…これなら、お前にも勝てる」
そう言って俺に刀を向けた紫闇を見た時、やっとあの人の言った意味が解かった。
『…でも、君はそんなに嫌いじゃないと思うよ』
あの人と同じ漆黒の髪に紫苑の瞳なのに。でも紫闇の方が感情に揺れて変化する瞳の光彩。はっきりと向けられる殺意。
「…どうかな?」
それが…妙に心地良かった。
その時俺は十八歳で、その時から俺と紫闇は因縁持ちになったというわけだ。茉咲が居なくなって、あの人が『放棄』して、それから俺があいつと出会う。それが、俺に起こった目まぐるしい変化の日常だった。それが今は…
「ただいま戻りました」
その反動で、まったくの怠け者になった気がする。
火滋の声に、俺はまた現実に無事帰還。手を軽く振ってそれに応じる。火滋の嬉しそうな表情。どうやら収穫はあったらしい。結構結構。火滋が俺の隣りに座って、獅戯に今日の出来事を話している。俺はそれを横目に、手元の珈琲を啜った。
Ⅴ.“底”は“BORDER LINE” 3
正直こんなのは、まだ全然手緩い方。初めだったし、優しかった(?)んだと思う。大変なのはそれからで、茉咲の機嫌や気まぐれで何度も死にかけた。それなりに武器の扱いが安定してくると、それこそ殺る気十分な状態で俺にかかってきた。茉咲は俺が死なないようにやってるって言うが、どう考えてもそうだとは思えなかった。茉咲の言うことを鵜呑みにした俺の素直さをしばし呪った。今でも数え切れないほどその跡を残す傷。傍若無人な茉咲は基本的に容赦ナイから、その度に俺は傷を増やしていった。俺がそれなりに茉咲に食いついていけるようになったのは早い方だと思う。まぁ、毎回死ぬ気でやれば嫌でも身体が扱い方を覚えるんだけどさ。そんな気まぐれな茉咲が時々決まった時間に部屋を出て行くことがあった。それを珍しいと思ったのは事実だ。その時の俺はまだ若くて「野暮だな」と思っても、聞けるような無謀さがあった。今考えると、余計なことしたなぁ…としか思わないんだけど。
「なぁ、女?」
「ハズレ、男」
「げ、」
茉咲といるようになると、茉咲の趣味とか少しずつ見えてくる。俺に遊びとは言え手を出してるくらいだから、茉咲だったらアリだと思ったしそんなに驚きもしなかった。でも悔しいから嫌みのように俺は露骨に嫌そうな表情をした。でも茉咲には全然効果はなくて、ただ俺の反応に軽く笑って出ていった。
そんなことが続いていたある時、俺は初めてその相手にお目にかかった。
「篤抖っ…」
茉咲の驚いた顔。
「お前、あれほど一人で出んなって…」
「その一人でも、何とかなってるよ、茉咲」
漆黒の髪に紫苑の瞳。茉咲の相手は他でもない紫闇の兄・篤抖。この時の俺は紫闇のことを知らなかったから、後になって気付くことなんだけど。
でもパっと見弱そうだなぁ、なんて思ってたらあの人から茉咲と同じ煙草の匂いがした。
「彼氏?」
俺が茉咲にひやかして言ったが、茉咲はその一言を軽く鼻で笑って答えなかった。答えなくても解かるんだけど。明らかに俺との扱いの差が見え見えだし。何かそれが気に食わなくて、こっそり覗き見した(良い子は真似しちゃいけません)。
「…っ!」
「どこが何とかなってるだよ」
茉咲が腕を掴むと苦痛に歪む表情。傷口を掴んだ茉咲の手に、血が付いていた。
「…怒ってる?」
「…ったりめぇだろ。お前を傷つけていいのは俺だけだ」
茉咲の怖い顔。あんなに真剣に怒ってるのなんて初めて見た。
「…痛い、放して」
その声に茉咲が手の力を緩めて、あの人の腕を伝う血を舐めた。傷口に口唇を這わす。
「…っ…」
それは酷く優しい仕種。それは俺にだって伝わってくる。
結局、俺はそれっきりドアから離れた。その時俺は、何を想ってたんだろうか。
「…神津、」
獅戯の声に、思考を中断。
「あ――…」
あまり思い出したくないところまで思い出してしまった。俺の声に、獅戯は何事かと訝しい眼差しを送ってくる。
「珈琲、入れなおすか?」
俺はどれだけ回想してたんだろう。暖かかったはずの珈琲はすっかり温くなっていた。俺は獅戯の言葉に従って、カップを獅戯に渡した。
あの人は俺の苦手な部類の人だった。見るからに弱そうなくせに、まるで相手のことを何でも見透かすような目をしてる。それが嫌で力で捻じ伏せようとすると、その行為をとても哀れに見てるような気がするんだ。上手く言えないけど、計り知れないというか。俺のあまり好きじゃない意味で掴めない人。それがまさにあの人だったんだ。
「…思い出す人間、なんか間違ってるし…」
火滋との会話で、茉咲のこと思い出してたはずなのに。おかしいなと小首を傾げていると、
「気持ち悪い」
獅戯が俺の様子を見て一言。そして、目の前に入れなおした珈琲を置いた。獅戯はそれきりまた自分の仕事に戻ってしまったから、俺は引き続き思考を再開した。
「なぁ、別にアンタの行動を縛りたいっつーワケじゃないんだけどさ」
部屋から出て行こうとする茉咲の後ろ姿に、俺は言葉を投げた。
「行き先、言ってってくんない?」
「…今日は何だよ」
茉咲の反応は気分を害したとかそう言った類のものではなく、ただ純粋な疑問。
「予感すんの、アンタが死にそうな」
火滋が言う嫌な予感の的中率がいいことは、もうこの頃には解かり始めていた。初めは雨降りそうだなぁ…とか、その程度の話だったんだけどさ。
それに対して茉咲は面白そうな声だった。
「心配してんの?」
“俺の強さは身を持って知ってるくせに”とからかうように付け加えた。俺はそれに対し冷たい視線を投げてやる。
「心配っつーか…行き先言わないで死なれるのヤだし?」
何か気持ち悪いじゃん、そういうの。
「けど俺の行き先知ったところで、死ぬんだったら止めようがねぇじゃん」
「止める気ないし」
俺は即答した。
「だったら、わざわざ俺の死体見に来んのか?嫌みなやつだな」
「知らないところで死なれるよりマシだろ」
俺はじっと茉咲の様子を覗う。すると呆れたような表情がすっと真剣な表情に変わる。
「――――死なねぇよ」
そこには悪戯に笑う茉咲は欠片もなくて。
「そんなに弱くねぇもん、俺。それに…」
俺は次の言葉に何かを期待した。
「俺が居ねぇと、篤抖死ぬからな…そんなの赦さないけど」
途端にいつもと変わらない傍若無人な態度。嫌味とさえ取れるくらい茉咲は偉そうに笑った。
「あ、そ」
俺はその時、自分がなんて下らないことを言ったんだろうと気付いた。俺はそんな自分に呆れて、茉咲に背中を向けた。
「それに、俺は誰かに支配されるのは大嫌いでね。死ぬ時は…自分の意志で死ぬさ」
ドアの開く音。
「生憎、“俺”は俺だけのモンだ」
最後のそれは、まるで茉咲自身の独白みたいだった。
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瑞季ゆたか
年齢:
42
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

