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BA○ARA×い○ぼく続きの続き

間が空きましたが続いてみた。とりあえず次あたりでようやく第一話終わります。
…これ、いつまで続けようかな…笑


4号室
政宗・ss小十郎


イロモノ続きは折りたたみ↓↓


拍手[1回]


その後も何かと世話を焼きたがる小十郎を躱して夕食を済ませ、政宗は一人風呂に居た。濡れた黒髪から滴る雫を拭いながら、ベンチに座る。ミネラルウォーターを口にしながら、反芻するのは今日のこと。

『政宗様、ずっとあなたにお会いできるのを心待ちにしておりました』

あれは一体どういうことなのだろうか。いつだって小十郎が政宗に向ける表情は、眼差しは知っている人間にむけるそれで、戸惑う。政宗は小十郎のことを知らない。どんなに記憶を遡っても、その中に…政宗と接触した人間の中に小十郎は居ない。けれど小十郎は政宗の好みも把握している。だが不思議なのはそれをさほど不快に感じていないことだ。

(シークレットサービスってのは、そういうデータとかも把握してから仕えるもんなのか…?)

監視のようにつけたであろう一族に舌打ち。
「…さっさと寝るか」
これ以上推測しても答えは出ない。週末で登校もすぐではないが、引越疲れ
(主に気疲れだが)をとらなくては、と政宗が立ち上がったところで、カツン、と床を叩く音がした。
「なん、」
バチン、とブレーカーが落ちフロアが真っ暗になる。唯一の光源は大きな窓から差し込む月明かり。振り返った途端に政宗は床に突き飛ばされていた。
「いっ…て…」
見上げると、すぐ傍に槍の切っ先。月明かりが仮面をつけている男の姿を浮かび上がらせている。
「邪魔な結界の所為で入るのに手こずった」
男は感情の滲まない無機質な声でそう言う。
「…誰だ、」
政宗が問えば数秒の沈黙の後、男は再び口を開く。
「名乗る名は必要ない。我らは主の任を遂行するのみ」
我ら、ということは当然この男一人ではないのだろうが、政宗は何の心配もしていない。信頼などと言われるのは筋違いだが、このマンションに居る“事情”を鑑みれば他の連中も弱くはない。自分と同じように。
「…へぇ、」
すぅ…と政宗は内側で普段眠っている、それ、が目覚めるのを感じる。
「抵抗しなければ命までは要らない」
「じゃあ抵抗したらどうなるんだ…?」
口許が三日月のように歪む。槍の切っ先が退くと政宗の隻眼を狙うように槍が伸びた。
ザシュ…肉を貫く音。綺麗に磨かれた床に滴る赤。
「…誰だ」
政宗は自分と男との間に割り込んで立つその姿を見上げる。
「政宗様っ、お怪我はございませんか…!」
手を貫く男の槍。その槍の切っ先を貫かれた手で掴むのは。
「…アンタ、」
男が槍を退く。政宗の傍らに跪いたのは小十郎だった。
「申し訳ございません、小十郎が居りながら政宗様の御身を危険に晒すとは…この身を斬っても償いきれません」
音もなく再び男の槍が伸びる。
「小じゅ、」
小十郎は男に背を向けたまま、自らの刀で槍をさばいた。
「政宗様は、この小十郎が必ずお守り致します」
そう出会った時のように穏やかに小十郎は笑う。そして政宗を庇って男と対峙すると、小十郎は深く息を吐く。すると静かに霧が小十郎と男を囲む。男の一閃が霧を薙ぎ払うと、そこに居たのは先刻のスーツ姿の小十郎ではなかった。
着崩した着流し。露出した左肩から腕を見るだけでどれほど鍛えられているか分かる。手には抜身の黒龍。そして。
「…狼…?」
政宗の呟きに重なるように男が口を開く。
「狛犬風情が」
男の声に応えるように、小十郎の刀がバチバチと青雷を帯びる。

「狛犬風情かどうかは…テメェの槍で試してみるんだな」
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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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