ｍｏｎｏｃｕｂｅ
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(ｲﾛ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ﾅｶ)は昏(ｸﾗ)く底なしの闇色(ﾓﾉｸﾛ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
こうやって僕たちは、何もないありふれた平凡な日常に何か意味を探そうと必死だ。
※学園○サラ的な。
最近の日中の気温の高さに、調子に乗っている様子。
※続きはおりたたみ。↓↓
[0回]
自由に気ままにふらりと旅に出る。
けれどそれなりに出席日数を計算しているように学校には顔を出す。
旅の相棒は首に下げた年季の入ったカメラ。
4組の慶次は、そういう人間だった。
渡り廊下を渡った先の特別棟。
(5階に渡り廊下なんて、馬鹿げた創設者だと思う)
その5階の教室の窓からは、生徒たちが利用する正面入口が良く見えた。
「…あ、」
暑い日差し、生ぬるい風。
窓枠に両腕をついて外を眺めていた政宗は、
登校時間を無視してゆっくりと歩いてくる人影に気がついた。
「…放浪癖じゃねぇか、」
相変わらずの社長登校だな、と政宗が笑う後ろで、
佐助の仰ぐ下敷きがペコペコと軽い音を鳴らした。
政宗に気付いた慶次は手で日差しを遮りながら5階を見上げる。
首には大事そうにかけられた相棒のカメラ。
楽しそうに笑って手を振る慶次に、
政宗は「このくっそ暑い日に」と呆れた表情をしつつ笑う。
やがてそれを見ていた慶次は首に下げていたカメラを政宗に向けて構えた。
5階の教室では、いつの間にか下敷きの音が消えていて、
窓の外を眺める政宗に佐助は近づいた。
「なーんか、仲間外れにされてる気がする」
「あ？」
政宗は拗ねたような声に隣に立つ佐助を見上げる。
当の佐助はアスファルトの照り返しに目を細めて
カメラを構えている慶の姿を捉えると、ふっと口元を歪ませた。
それに驚いてカメラを下ろす慶次を見下ろしながら、
「佐助？」
政宗を隠すように。
シャー。
勢いよくくすんだ色のカーテンを引いた。
「なっ…」
慶次は弾かれたように走りだす。
行き先は言うまでもなく特別棟5階の教室だ。
「何だぁ、いきなり」
何の前フリもなくカーテンを閉められたことに訝しげな表情をする政宗に、
佐助は頭の上で指を組んだ。
「だって落ちそうだったから」
悪びれた風もなく言う佐助に、「落ちるかよ」と政宗は笑った。
そして空を眺める政宗は、さっきとはまるで違う声音で呟く。
「こっから落ちたら、どんな気分だろうな」
ふわりと生ぬるい風がうなじを撫でて振り返る。
呟いた政宗の表情を風に煽られたカーテンが隠してしまっていた。
もったいない、と密かに佐助は思った。
「空は澄んでキレイに晴れた日だったら、いい気持ちかもよ？」
「地面にぶつかるまでは、な」
窓枠に背を向けて寄りかかる政宗の黒い髪が風に揺られた。
その横顔に佐助は両手の指で四角を作り政宗にピントを合わせる。
「…何だよ、」
政宗がふわりと笑い、不覚にも佐助は見惚れてしまった。
「政宗、大丈夫か！？」
そこへ息を切らして慶次が教室に到着。
慶次の言葉に政宗は何事だと眉間に皺を寄せ、
佐助は慶次の反応に笑いながら椅子に座った。
慶次は佐助をひと睨みし(佐助の方はどこ吹く風だ)、手近な机の上に座った。
そしてカメラの調整を始める。
色んな角度からカメラを見てみたり、構えて覗き込んでみたり。
そんな慶次を眺めながら佐助は机の上に足を置いて椅子を傾けている。
政宗も何も言わず依然として窓枠に寄りかかっていた。
開け放たれた窓からは相変わらず生ぬるい風が教室の中を一周して外へ流れていく。
同じ教室の中に居る三人は、それぞれがそれぞれのことに思いを馳せる。
「―――…なぁ、喉渇かないか」
口を開いたのは慶次だった。
顔を上げて二人に同意を求める。
「あぁ、そう言われりゃそうだな」
「俺様も右に同じく」
そう言って三人は示し合わせたかのように手を出す。
「ルールはいつも通り、負けた奴の奢りってことで、」
こうやって僕たちは、
いつもと寸分も変わらない日常をどうにかして意味のあるものにしようと足掻いている。
けれどそれなりに出席日数を計算しているように学校には顔を出す。
旅の相棒は首に下げた年季の入ったカメラ。
4組の慶次は、そういう人間だった。
渡り廊下を渡った先の特別棟。
(5階に渡り廊下なんて、馬鹿げた創設者だと思う)
その5階の教室の窓からは、生徒たちが利用する正面入口が良く見えた。
「…あ、」
暑い日差し、生ぬるい風。
窓枠に両腕をついて外を眺めていた政宗は、
登校時間を無視してゆっくりと歩いてくる人影に気がついた。
「…放浪癖じゃねぇか、」
相変わらずの社長登校だな、と政宗が笑う後ろで、
佐助の仰ぐ下敷きがペコペコと軽い音を鳴らした。
政宗に気付いた慶次は手で日差しを遮りながら5階を見上げる。
首には大事そうにかけられた相棒のカメラ。
楽しそうに笑って手を振る慶次に、
政宗は「このくっそ暑い日に」と呆れた表情をしつつ笑う。
やがてそれを見ていた慶次は首に下げていたカメラを政宗に向けて構えた。
5階の教室では、いつの間にか下敷きの音が消えていて、
窓の外を眺める政宗に佐助は近づいた。
「なーんか、仲間外れにされてる気がする」
「あ？」
政宗は拗ねたような声に隣に立つ佐助を見上げる。
当の佐助はアスファルトの照り返しに目を細めて
カメラを構えている慶の姿を捉えると、ふっと口元を歪ませた。
それに驚いてカメラを下ろす慶次を見下ろしながら、
「佐助？」
政宗を隠すように。
シャー。
勢いよくくすんだ色のカーテンを引いた。
「なっ…」
慶次は弾かれたように走りだす。
行き先は言うまでもなく特別棟5階の教室だ。
「何だぁ、いきなり」
何の前フリもなくカーテンを閉められたことに訝しげな表情をする政宗に、
佐助は頭の上で指を組んだ。
「だって落ちそうだったから」
悪びれた風もなく言う佐助に、「落ちるかよ」と政宗は笑った。
そして空を眺める政宗は、さっきとはまるで違う声音で呟く。
「こっから落ちたら、どんな気分だろうな」
ふわりと生ぬるい風がうなじを撫でて振り返る。
呟いた政宗の表情を風に煽られたカーテンが隠してしまっていた。
もったいない、と密かに佐助は思った。
「空は澄んでキレイに晴れた日だったら、いい気持ちかもよ？」
「地面にぶつかるまでは、な」
窓枠に背を向けて寄りかかる政宗の黒い髪が風に揺られた。
その横顔に佐助は両手の指で四角を作り政宗にピントを合わせる。
「…何だよ、」
政宗がふわりと笑い、不覚にも佐助は見惚れてしまった。
「政宗、大丈夫か！？」
そこへ息を切らして慶次が教室に到着。
慶次の言葉に政宗は何事だと眉間に皺を寄せ、
佐助は慶次の反応に笑いながら椅子に座った。
慶次は佐助をひと睨みし(佐助の方はどこ吹く風だ)、手近な机の上に座った。
そしてカメラの調整を始める。
色んな角度からカメラを見てみたり、構えて覗き込んでみたり。
そんな慶次を眺めながら佐助は机の上に足を置いて椅子を傾けている。
政宗も何も言わず依然として窓枠に寄りかかっていた。
開け放たれた窓からは相変わらず生ぬるい風が教室の中を一周して外へ流れていく。
同じ教室の中に居る三人は、それぞれがそれぞれのことに思いを馳せる。
「―――…なぁ、喉渇かないか」
口を開いたのは慶次だった。
顔を上げて二人に同意を求める。
「あぁ、そう言われりゃそうだな」
「俺様も右に同じく」
そう言って三人は示し合わせたかのように手を出す。
「ルールはいつも通り、負けた奴の奢りってことで、」
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プロフィール
ＨＮ：
瑞季ゆたか
年齢：
40
性別：
女性
誕生日：
1984/02/10
職業：
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味：
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介：
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽：Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん（自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本：長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別！僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中！某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽：Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん（自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本：長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別！僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中！某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。