monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
ゆらり、揺らいで、
恋に、落ちていく。
10の言葉より、優しいハグを。
100の愛してるより、一度のキスを。
※現代版竜と忍とアニキの話(チカダテ要素含)。表情を隠すことにおいて、の続き。そして人は恋に落ちる。アニキが別人(※基本みんな別人ですが)恥ずかしいので続きは折りたたみ↓↓
梅雨が、明けたらしい。
そうとも思えない程度には湿気はあって、
明けた途端に曇天ってのは誰かの日頃の行いが良くないせいか。
「…十中八九、テメェだな」
頬杖をついて視線を遣ると、佐助は下敷きで扇ぐ手を止め瞬いた。
「何が?」
「雨の原因」
益々意味が分からないとでも言わんばかりに佐助は顔をしかめる。
「今日、何か機嫌悪い?」
佐助はこっちに下敷きで風を送りながら問う。
雨が悪い→雨=佐助→佐助が悪い。
「テメェのせいでな」
雨が好きじゃないことを知っている佐助は苦笑した。
「じゃあ、それを慰めてあげないと」
彼氏としては、ね。
と距離を詰めてくる佐助の不埒な手を払いながら、「何が彼氏としては、だ」と笑った。
「おっと、俺としたことが野暮だったかな?」
開いたままの教室のドアに手を掛けて慶次が片目を伏せた。
「ホント野暮だね、だてお「いや、問題ねぇ」
さらっと答えれば、酷く不満げな佐助に睨まれた。
慶次はそんなやりとりに盛大に吹いていたが。
「何か俺に対して扱いが悪くないか、だってさ…」
こっちに背を向けて不貞腐れる佐助に笑うと、慶次が耳打ちした。
「ここ連日、ずっと一緒じゃねぇか」
「何でだろうな」
背もたれに腕を起き、椅子を傾けて揺らす。
「佐助が嘯いてただけだと思ってた連中まで、落胆してるぜ?」
ついに公式かってな、と言う慶次の口調は軽いが内容はただ事ではない。
「…何だよ、その落胆ってのは」
身体を起こして振り返るも慶次はどこ吹く風で。
だが、それよりも気に掛かるのは。
佐助の背中に視線を戻す。
あんまり放置しておくと後々面倒だ。
「おい、佐助」
「ん、らしくもなく予備線張ってるだけ」
振り返った佐助は軽い笑みを浮かべながらまるで心の中を見透かしたように応えた。
「予備線て、」
「ハイハイ、俺様以外のこと考えるの禁止ー」
見上げたら不意打ちで髪にキスをされた。
殴るように振り回した腕は難なく躱され掴まれ抱き締められるの3コンボ。
「テメェな、」
「だから、伊達男が触るのも禁止ー」
面白がって手を出す慶次の手を巧みに払う佐助を見上げ、
その腕から無理矢理脱出。
「どこ?俺様も行こうか?」
慶次と取っ組み合いながら声を投げる佐助にドアに手を掛けて振り返り、
「ストーカーは嫌われるぜ?」
と笑って教室を出た。
『…政宗、好きだよ』
反芻する佐助の言葉。
『アンタが好き』
確かめるように呟く真摯で優しい声。
それに少なからず揺れている自分を自覚して少し腹が立った。
「…お、」
視線の先に居たのは。
「チ、カ」
校舎でも見かけてるし、挨拶もしてるのにすごく久しぶりな気がする。
足を止めて、元親が距離を詰めてくるのを待つ。
「蒸し暑いのは平気かァ?」
何も変わらない。
態度も言葉も声音も。
「まさか、既にやられてたりしねェよな」
いきなり倒れてきた時はヒヤっとしたんだぜ?と苦笑する元親に。
「…平気、…つーか、そんなに柔じゃねぇ」
「あっははは、そうだったなァ」
いつもの調子で言い返せば、楽しそうに元親は笑って髪を無造作に撫でる。
こういうのが、「アニキ」と慕われる所以で。
この手に髪を乱されるのは嫌いじゃない。
昔から、ずっと。
「チカ、」
『好きだぜ、』
あの言葉が、引っ掛かって。
うまく口に出して問うこともできなくて。
「…お前はいつも通りでいい、と言いたいところだが…そういうワケにもいかねぇよなァ」
元親は苦笑して。
だがその言葉はすべてが事実だと確信させて。
「少しは我慢してやってくれよ」
頭から元親の手が離れて。
「だからよォ、」
その手は輪郭を確かめるように撫でて。
元親を見上げたら視界を銀髪が満たして。
「そんな泣きそうな顔すんな」
囁くように触れた口唇は、酷く優しかった。
10の言葉より、優しいハグを。
100の愛してるより、一度のキスを。
※現代版竜と忍とアニキの話(チカダテ要素含)。表情を隠すことにおいて、の続き。そして人は恋に落ちる。アニキが別人(※基本みんな別人ですが)恥ずかしいので続きは折りたたみ↓↓
梅雨が、明けたらしい。
そうとも思えない程度には湿気はあって、
明けた途端に曇天ってのは誰かの日頃の行いが良くないせいか。
「…十中八九、テメェだな」
頬杖をついて視線を遣ると、佐助は下敷きで扇ぐ手を止め瞬いた。
「何が?」
「雨の原因」
益々意味が分からないとでも言わんばかりに佐助は顔をしかめる。
「今日、何か機嫌悪い?」
佐助はこっちに下敷きで風を送りながら問う。
雨が悪い→雨=佐助→佐助が悪い。
「テメェのせいでな」
雨が好きじゃないことを知っている佐助は苦笑した。
「じゃあ、それを慰めてあげないと」
彼氏としては、ね。
と距離を詰めてくる佐助の不埒な手を払いながら、「何が彼氏としては、だ」と笑った。
「おっと、俺としたことが野暮だったかな?」
開いたままの教室のドアに手を掛けて慶次が片目を伏せた。
「ホント野暮だね、だてお「いや、問題ねぇ」
さらっと答えれば、酷く不満げな佐助に睨まれた。
慶次はそんなやりとりに盛大に吹いていたが。
「何か俺に対して扱いが悪くないか、だってさ…」
こっちに背を向けて不貞腐れる佐助に笑うと、慶次が耳打ちした。
「ここ連日、ずっと一緒じゃねぇか」
「何でだろうな」
背もたれに腕を起き、椅子を傾けて揺らす。
「佐助が嘯いてただけだと思ってた連中まで、落胆してるぜ?」
ついに公式かってな、と言う慶次の口調は軽いが内容はただ事ではない。
「…何だよ、その落胆ってのは」
身体を起こして振り返るも慶次はどこ吹く風で。
だが、それよりも気に掛かるのは。
佐助の背中に視線を戻す。
あんまり放置しておくと後々面倒だ。
「おい、佐助」
「ん、らしくもなく予備線張ってるだけ」
振り返った佐助は軽い笑みを浮かべながらまるで心の中を見透かしたように応えた。
「予備線て、」
「ハイハイ、俺様以外のこと考えるの禁止ー」
見上げたら不意打ちで髪にキスをされた。
殴るように振り回した腕は難なく躱され掴まれ抱き締められるの3コンボ。
「テメェな、」
「だから、伊達男が触るのも禁止ー」
面白がって手を出す慶次の手を巧みに払う佐助を見上げ、
その腕から無理矢理脱出。
「どこ?俺様も行こうか?」
慶次と取っ組み合いながら声を投げる佐助にドアに手を掛けて振り返り、
「ストーカーは嫌われるぜ?」
と笑って教室を出た。
『…政宗、好きだよ』
反芻する佐助の言葉。
『アンタが好き』
確かめるように呟く真摯で優しい声。
それに少なからず揺れている自分を自覚して少し腹が立った。
「…お、」
視線の先に居たのは。
「チ、カ」
校舎でも見かけてるし、挨拶もしてるのにすごく久しぶりな気がする。
足を止めて、元親が距離を詰めてくるのを待つ。
「蒸し暑いのは平気かァ?」
何も変わらない。
態度も言葉も声音も。
「まさか、既にやられてたりしねェよな」
いきなり倒れてきた時はヒヤっとしたんだぜ?と苦笑する元親に。
「…平気、…つーか、そんなに柔じゃねぇ」
「あっははは、そうだったなァ」
いつもの調子で言い返せば、楽しそうに元親は笑って髪を無造作に撫でる。
こういうのが、「アニキ」と慕われる所以で。
この手に髪を乱されるのは嫌いじゃない。
昔から、ずっと。
「チカ、」
『好きだぜ、』
あの言葉が、引っ掛かって。
うまく口に出して問うこともできなくて。
「…お前はいつも通りでいい、と言いたいところだが…そういうワケにもいかねぇよなァ」
元親は苦笑して。
だがその言葉はすべてが事実だと確信させて。
「少しは我慢してやってくれよ」
頭から元親の手が離れて。
「だからよォ、」
その手は輪郭を確かめるように撫でて。
元親を見上げたら視界を銀髪が満たして。
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
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