monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
ドSってどういうことなんだろうかと割と真剣に考えている。
あく‐らつ 【悪辣】 [名・形動]
情け容赦もなく、たちが悪い こと。あくどいこと。また、そのさま。
舞台の内容とは関係ありませんが、舞台での久保宗様の凄絶すぎる色気にあてられた結果出来上がったもの(´ω`)
※刺してるので、痛いの苦手な方は回れ右!続きは折りたたみ↓↓
「元より卿らには失望する程の期待すらない」
息を吸うと空気の抜ける音がする。爆風にチリチリと喉が痛んで、動くたびに痙攣するような激痛が身体中を巡る。魔王との戦いで相当のダメージを負ったことは分かっていた。じりじりと臓腑を焼かれるような感覚は恐らくまともに食らった爆発の影響だろう。声を出すのも辛い。立ち上がろうとする膝が笑う。身体がもうやめろと悲鳴をあげている。
「アンタに、は…解らねぇだ、ろ…な」
命を削って立ち上がる理由は、歴然とした力の差を理解しているのに無様にも足掻く理由は。
降り下ろした一撃を松永が片手で受け止め弾く。間髪入れずに胴を凪げば、松永の刀がそれを見切って届かない。火花を散らしながら弾かれた反動で僅かに無防備になった横腹を貫く切っ先は、身体を貫通してすぐ後ろの真田に届きそうな程。
「あ゙がっ…っ…」
もやは呻き声すら音になりきらない。刀に火薬でも混ざっているかのように触れた場所が熱く焼かれているようだ。
「っか……は、ぁ…」
声の代わりに口から溢れた赤い潮。それに松永が少しだけ表情を動かした。なんの興味もない、道端の石を見流すような視線で捉えながら表情を動かした理由は、刀を握る手に赤い潮が跳ねたからだろう。
「こ、……ゅ…、ろ」
早く来い。今のうちにこの男を断て。そして、なんて無茶をなさるのか、と小言を聞かせてくれ。
小十郎、お前は、何処にいる?
「…卿の心の奥底に息づくその感情は、とても綺麗だ。だが、」
「…あ゙あ゙っ、…ぁ゙……!」
ずぶり。刀のひと関節分が身体に食い込む。ボタボタと傷口から血が流れる。松永は三日月のように口を歪めて。
「興味を抱く価値もない」
それは甘い囁きか、或いは子守唄でも歌うような柔らかい声で。
「さぁ、独眼竜。このまま息耐えるのを待つか、それとも愛しい右目と同じく灰になるのがお望みか?」
そう言って少し離れると、刀を握る手に力がこもる。
「あぁ、このままでは苦痛だろう」
「っが、ぁ゙ア゙……」
ズルッと刀が抜けて、先刻食い込んだひと関節分が血塗れで顔を出す。振り上げた刀は力の入らない指から抜けて乾いた音を立てて地面に落ちた。全身が焼かれている。痛みすぎて思考までもが麻痺する。
「―――さ、…ね……ぁま…」
視点の定まらない目に映る右目。血の跡を残しながら這いずって来た右目は、いつもの男前は何処へやら、土にまみれ装束を自らの血でどす黒く染め、髪は乱れて恐らくまともに目も見えてないのかもしれない。それでも刀を地面に突き立てながら這ってくる。
「…やれやれ、卿も大概しつこいな」
松永は今にも噛みつきそうな右目の刀を払って、爪先でその顎を持ち上げる。
「ゃ…め……」
「泣ける忠義…いや、右目のうちに秘めたるものもまた……いやはや、なんとも奥州の双竜とは愚かなものか」
顎を持ち上げる足が右目の顔をそのまま蹴りあげて倒れる喉元を踏む。
「曇った右目と腐った忠義…卿らの声を聞いているとこちらまで腐敗しそうだ。…独眼竜、卿には…その命より大切な右目の、死を、あげよう」
赤い三日月のように歪む口。指先が右目に向けられる。
「…ゃ、め……ろォォ…っ!!」
情け容赦もなく、たちが悪い こと。あくどいこと。また、そのさま。
舞台の内容とは関係ありませんが、舞台での久保宗様の凄絶すぎる色気にあてられた結果出来上がったもの(´ω`)
※刺してるので、痛いの苦手な方は回れ右!続きは折りたたみ↓↓
「元より卿らには失望する程の期待すらない」
息を吸うと空気の抜ける音がする。爆風にチリチリと喉が痛んで、動くたびに痙攣するような激痛が身体中を巡る。魔王との戦いで相当のダメージを負ったことは分かっていた。じりじりと臓腑を焼かれるような感覚は恐らくまともに食らった爆発の影響だろう。声を出すのも辛い。立ち上がろうとする膝が笑う。身体がもうやめろと悲鳴をあげている。
「アンタに、は…解らねぇだ、ろ…な」
命を削って立ち上がる理由は、歴然とした力の差を理解しているのに無様にも足掻く理由は。
降り下ろした一撃を松永が片手で受け止め弾く。間髪入れずに胴を凪げば、松永の刀がそれを見切って届かない。火花を散らしながら弾かれた反動で僅かに無防備になった横腹を貫く切っ先は、身体を貫通してすぐ後ろの真田に届きそうな程。
「あ゙がっ…っ…」
もやは呻き声すら音になりきらない。刀に火薬でも混ざっているかのように触れた場所が熱く焼かれているようだ。
「っか……は、ぁ…」
声の代わりに口から溢れた赤い潮。それに松永が少しだけ表情を動かした。なんの興味もない、道端の石を見流すような視線で捉えながら表情を動かした理由は、刀を握る手に赤い潮が跳ねたからだろう。
「こ、……ゅ…、ろ」
早く来い。今のうちにこの男を断て。そして、なんて無茶をなさるのか、と小言を聞かせてくれ。
小十郎、お前は、何処にいる?
「…卿の心の奥底に息づくその感情は、とても綺麗だ。だが、」
「…あ゙あ゙っ、…ぁ゙……!」
ずぶり。刀のひと関節分が身体に食い込む。ボタボタと傷口から血が流れる。松永は三日月のように口を歪めて。
「興味を抱く価値もない」
それは甘い囁きか、或いは子守唄でも歌うような柔らかい声で。
「さぁ、独眼竜。このまま息耐えるのを待つか、それとも愛しい右目と同じく灰になるのがお望みか?」
そう言って少し離れると、刀を握る手に力がこもる。
「あぁ、このままでは苦痛だろう」
「っが、ぁ゙ア゙……」
ズルッと刀が抜けて、先刻食い込んだひと関節分が血塗れで顔を出す。振り上げた刀は力の入らない指から抜けて乾いた音を立てて地面に落ちた。全身が焼かれている。痛みすぎて思考までもが麻痺する。
「―――さ、…ね……ぁま…」
視点の定まらない目に映る右目。血の跡を残しながら這いずって来た右目は、いつもの男前は何処へやら、土にまみれ装束を自らの血でどす黒く染め、髪は乱れて恐らくまともに目も見えてないのかもしれない。それでも刀を地面に突き立てながら這ってくる。
「…やれやれ、卿も大概しつこいな」
松永は今にも噛みつきそうな右目の刀を払って、爪先でその顎を持ち上げる。
「ゃ…め……」
「泣ける忠義…いや、右目のうちに秘めたるものもまた……いやはや、なんとも奥州の双竜とは愚かなものか」
顎を持ち上げる足が右目の顔をそのまま蹴りあげて倒れる喉元を踏む。
「曇った右目と腐った忠義…卿らの声を聞いているとこちらまで腐敗しそうだ。…独眼竜、卿には…その命より大切な右目の、死を、あげよう」
赤い三日月のように歪む口。指先が右目に向けられる。
「…ゃ、め……ろォォ…っ!!」
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。