monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
少しずつ沈殿する、
これは、何だ?
独占欲?
いや、違う。
じゃあこれは。
「貴様の仕業かっ、猿飛佐助」
口惜しそうに叫ぶ声に視線を遣ると、そこにはかすががいた。
「んー?こんなとこにしこたま罠作ってんなんて危なすぎるだろ」
「一つ残らず律儀に引っ掛かるとは…忌々しい」
律儀に"引っ掛かってやった"のは嫌がらせだ、念の為。
「なぁかすが、」
主人を想い慕う彼女なら、これ、に付けるべき名が解るだろうか。
「お前は何で上杉を慕うんだ?」
「なっ、それは…あの方と同じものを見てみたいと思ったから」
これ、は少し違う。
「忍にあるまじき私情をはさみまくりだな」
「うるさいっ、…それより、いいのか?」
にやり、とかすがが笑う。
「何が」
「真田が、…伊達とぶつかるぞ」
…それ、早く言えよ。
「相変わらず、過保護だな」
「いや、過保護じゃないんだよね」
これ、は。
別に、すげぇやんちゃしなきゃ構わないし。相手が伊達なら不意打ちとかそういうこと心配しなくていいだろうし。
そうじゃなくて、もっと、そう。
(呼んでくれりゃ、すぐ飛んでくのにさ)
かすがは笑う。
「お前のそれは、異常なまでの所有されたい欲だな」
綺麗な顔で、嘲笑する。
「それこそ、忍にあるまじき想いとやらじゃないのか?」
自分をもっと欲しがればいいのに、と思うことは。
独占欲とは違う。
誰かに、いや、あの紅に、所有されたい、だなんて。
(…俺様も大概どうかしてる)
でも、それは殊の外嫌な感じはしなかった。
「…じゃ、俺行くわ」
かすがは何も言わず、目で「去ね」と言っていた。それに笑いながら木々の間を縫うように疾走る。
こんな風に思ったのはいつからだったか。
耳を澄ませて目を伏せる。
チリン...
聞こえる風鈴の高い音。
「佐助、ほら」
差し出され小さな風鈴。
「…旦那、これ、何」
「風鈴だ!」
そんな嬉しそうに強く言わなくても見りゃ分かるけどね。
「うん、何で俺?」
女の子にでもあげりゃあいいのに。好意を寄せている者はかなり居るから、喜ぶだろうに。
…考えたら、何かイラッてきた。
「うむ、硝子細工があまりにも綺麗だったのだ」
「…多分、これ、偽物だぜ?」
甲高い、風鈴の音。
「別に、どっちでもよいのだ」
殊勝な言葉に視線を上げた先。
耳まで赤くして背を向けるのは。
「…綺麗な、音であろう?」
佐助、なんて、努めて穏やかな声音で言うから。恥ずかしいのを堪えているのだ、これは。
眩しくて、くすぐったくて、その小さな背中に額を当てて。
跳ねた心臓には目をつぶる。
(…この紅のために、死にたい)
「…さ、佐助?」
だから、名を呼んで。
己が誰のものなのか、言ってくれたらいいのに。
「…うん、綺麗な音だねぇ、旦那」
木々を抜けると、それぞれの軍勢が見える。情報収集だけのつもりが、随分油を売ってしまったらしい。音も立てず風のように人の間を抜けると。
「漸く来やがったか」
右目が気配を察して呟く。
「もうおっ始めてるかと思った」
「役者が揃わなきゃ始まらねぇだろ」
右目はにやりと笑う。
その横で右目の視線を追うと、真剣に睨み合う紅と蒼が居た。
「佐助、俺を最期まで見届けろ、一戦たりとも一刻たりとも一寸たりとも見逃すな、」
それは都合のいい幻聴だったのかもしれない。それでも確かに鼓膜を揺らす、芯の強い声。
そう、俺は、アンタの忍。
アンタだけの、忍。
その言葉に応えるように、口元に笑みを浮かべた。
二つ目。一番好きなキャラは逆にあまり書けない気がする…orz
その点、表には塵一つも出さないくせにどこか歪んでて、でも軽口を叩くこの忍は非常に書きやすい(笑)好きです。
でも口調がイマイチ分からないなぁ…
独占欲?
いや、違う。
じゃあこれは。
「貴様の仕業かっ、猿飛佐助」
口惜しそうに叫ぶ声に視線を遣ると、そこにはかすががいた。
「んー?こんなとこにしこたま罠作ってんなんて危なすぎるだろ」
「一つ残らず律儀に引っ掛かるとは…忌々しい」
律儀に"引っ掛かってやった"のは嫌がらせだ、念の為。
「なぁかすが、」
主人を想い慕う彼女なら、これ、に付けるべき名が解るだろうか。
「お前は何で上杉を慕うんだ?」
「なっ、それは…あの方と同じものを見てみたいと思ったから」
これ、は少し違う。
「忍にあるまじき私情をはさみまくりだな」
「うるさいっ、…それより、いいのか?」
にやり、とかすがが笑う。
「何が」
「真田が、…伊達とぶつかるぞ」
…それ、早く言えよ。
「相変わらず、過保護だな」
「いや、過保護じゃないんだよね」
これ、は。
別に、すげぇやんちゃしなきゃ構わないし。相手が伊達なら不意打ちとかそういうこと心配しなくていいだろうし。
そうじゃなくて、もっと、そう。
(呼んでくれりゃ、すぐ飛んでくのにさ)
かすがは笑う。
「お前のそれは、異常なまでの所有されたい欲だな」
綺麗な顔で、嘲笑する。
「それこそ、忍にあるまじき想いとやらじゃないのか?」
自分をもっと欲しがればいいのに、と思うことは。
独占欲とは違う。
誰かに、いや、あの紅に、所有されたい、だなんて。
(…俺様も大概どうかしてる)
でも、それは殊の外嫌な感じはしなかった。
「…じゃ、俺行くわ」
かすがは何も言わず、目で「去ね」と言っていた。それに笑いながら木々の間を縫うように疾走る。
こんな風に思ったのはいつからだったか。
耳を澄ませて目を伏せる。
チリン...
聞こえる風鈴の高い音。
「佐助、ほら」
差し出され小さな風鈴。
「…旦那、これ、何」
「風鈴だ!」
そんな嬉しそうに強く言わなくても見りゃ分かるけどね。
「うん、何で俺?」
女の子にでもあげりゃあいいのに。好意を寄せている者はかなり居るから、喜ぶだろうに。
…考えたら、何かイラッてきた。
「うむ、硝子細工があまりにも綺麗だったのだ」
「…多分、これ、偽物だぜ?」
甲高い、風鈴の音。
「別に、どっちでもよいのだ」
殊勝な言葉に視線を上げた先。
耳まで赤くして背を向けるのは。
「…綺麗な、音であろう?」
佐助、なんて、努めて穏やかな声音で言うから。恥ずかしいのを堪えているのだ、これは。
眩しくて、くすぐったくて、その小さな背中に額を当てて。
跳ねた心臓には目をつぶる。
(…この紅のために、死にたい)
「…さ、佐助?」
だから、名を呼んで。
己が誰のものなのか、言ってくれたらいいのに。
「…うん、綺麗な音だねぇ、旦那」
木々を抜けると、それぞれの軍勢が見える。情報収集だけのつもりが、随分油を売ってしまったらしい。音も立てず風のように人の間を抜けると。
「漸く来やがったか」
右目が気配を察して呟く。
「もうおっ始めてるかと思った」
「役者が揃わなきゃ始まらねぇだろ」
右目はにやりと笑う。
その横で右目の視線を追うと、真剣に睨み合う紅と蒼が居た。
「佐助、俺を最期まで見届けろ、一戦たりとも一刻たりとも一寸たりとも見逃すな、」
それは都合のいい幻聴だったのかもしれない。それでも確かに鼓膜を揺らす、芯の強い声。
そう、俺は、アンタの忍。
アンタだけの、忍。
その言葉に応えるように、口元に笑みを浮かべた。
二つ目。一番好きなキャラは逆にあまり書けない気がする…orz
その点、表には塵一つも出さないくせにどこか歪んでて、でも軽口を叩くこの忍は非常に書きやすい(笑)好きです。
でも口調がイマイチ分からないなぁ…
PR
この記事にコメントする
この記事へのトラックバック
- この記事にトラックバックする
カレンダー
カテゴリー
最新記事
(02/10)
(05/06)
(03/21)
(02/23)
(01/13)
プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。