monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
恋の花咲けども、
それが必ずしも良きものかと言えば、
そうでもないのではないか。
竜の右目。
奥州筆頭と共に双竜と畏れられる片倉小十郎は、酷く、頭を悩ませていた。
奥州筆頭・伊達政宗の根城の外。
だだっ広い庭で、蒼と紅の炎が激しくぶつかり合いを繰り返している。
渦中に居るのは言わずもがな城主・伊達政宗と「虎の若子」真田幸村である。
「―――して、政宗殿。貴殿は佐助を見てはござらぬか?」
姿が見えぬのでござるよ。
六爪と朱槍がまたぶつかり火花を散らす。
その言葉に政宗は小さく舌打ちをする。
「また猿飛の話か、最近そればっかりじゃねぇか」
「なっ、そんなことはっ…」
虚を突かれて出来た隙を政宗は見逃さない。
勢いを増した六爪を、幸村は何とか長い柄で凌いだ。
「そりゃそうと、お前んとこに風来坊行ってねぇか?」
「前田殿は見てはござらぬ」
朱槍が六爪を弾いて二人が距離を取る。
「…ったく、どこほっつき歩いてんだアイツは」
呟く政宗に、幸村はまた勢い良く地面を蹴って朱槍を振り上げる。
「そういう政宗殿こそ、前田殿の所在を尋ねるのは最近の口癖でござるな」
「shit!ナマ言うようになったじゃねぇか、真田幸村ぁっ」
六爪と朱槍が見えない速度でぶつかり合い、更に激しい火花が散った。
竜の右目。
奥州筆頭と共に双竜と畏れられる片倉小十郎は、
連日に及ぶ蒼と紅の手合わせと無自覚な会話に、酷く、頭を悩ませていた。
慶政で、佐幸。
※実はちゃんと相思相愛なんですが…一方で風来坊と佐助の話は折り畳み↓↓
そうでもないのではないか。
竜の右目。
奥州筆頭と共に双竜と畏れられる片倉小十郎は、酷く、頭を悩ませていた。
奥州筆頭・伊達政宗の根城の外。
だだっ広い庭で、蒼と紅の炎が激しくぶつかり合いを繰り返している。
渦中に居るのは言わずもがな城主・伊達政宗と「虎の若子」真田幸村である。
「―――して、政宗殿。貴殿は佐助を見てはござらぬか?」
姿が見えぬのでござるよ。
六爪と朱槍がまたぶつかり火花を散らす。
その言葉に政宗は小さく舌打ちをする。
「また猿飛の話か、最近そればっかりじゃねぇか」
「なっ、そんなことはっ…」
虚を突かれて出来た隙を政宗は見逃さない。
勢いを増した六爪を、幸村は何とか長い柄で凌いだ。
「そりゃそうと、お前んとこに風来坊行ってねぇか?」
「前田殿は見てはござらぬ」
朱槍が六爪を弾いて二人が距離を取る。
「…ったく、どこほっつき歩いてんだアイツは」
呟く政宗に、幸村はまた勢い良く地面を蹴って朱槍を振り上げる。
「そういう政宗殿こそ、前田殿の所在を尋ねるのは最近の口癖でござるな」
「shit!ナマ言うようになったじゃねぇか、真田幸村ぁっ」
六爪と朱槍が見えない速度でぶつかり合い、更に激しい火花が散った。
竜の右目。
奥州筆頭と共に双竜と畏れられる片倉小十郎は、
連日に及ぶ蒼と紅の手合わせと無自覚な会話に、酷く、頭を悩ませていた。
慶政で、佐幸。
※実はちゃんと相思相愛なんですが…一方で風来坊と佐助の話は折り畳み↓↓
ある晴れた昼下がり。
日向ぼっこを兼ねながら茶屋の軒先で休んでいた慶次の視界に入る姿。
いつもの迷彩では無い普通の格好をした佐助であった。
佐助の方もすぐに慶次に気付き少し驚いたような表情をしたが、
ゆっくりと歩いてきて「隣、失礼しますよ」と座る。
いいともあしとも言っていないのにと思いながらも、
珍しいこともあるもんだと慶次は笑った。
それから近況も兼ねて他愛も無い話をして、
佐助の分のお茶が置かれてから、絶妙なタイミングで佐助が口を開いた。
「で、本題」
何か聞きたそうな慶次の表情に気付いたらしい。
「あぁ…最近の恋の方は進んでるのかと思ってさ」
恋、恋、というのが慶次の口癖だ。
慶次がそういう理由を佐助は詳しく知らない(知る気もない)が、
何かがあったというのは察しがつく。
(…苦い、恋の経験…とか)
佐助はお茶一口飲んで、
「進むも何も、旦那がアレじゃあねぇ」
そう答えた。
“旦那”は恋というものに免疫のない性分なのは慶次も良く知っている。
慶次は溜息交じりの佐助の言葉にカラカラと明るく笑った。
佐助は組んだ膝の上に頬杖をつくと、目を眇めて慶次を見上げた。
「そういうアンタの方はどうなってるわけ?」
すると途端に笑顔が苦笑に変わった。
「こっちも進展ナシ、かな」
「何、ソレ、竜の旦那はアンタのこと好きなんだろ?」
この点において二人は異なる。
「もしかして、右目の旦那?」
「や、右目はそこまで野暮じゃないって」
じゃあ、何なんだ?とばかりに訝しがる佐助に、慶次は湯飲みを両手で抱える。
「俺を選び取ってくれと、そう言えるだけの価値は俺にはねぇからなぁ」
決定打を口にできないのは、慶次の方だ。
「人に“恋恋”言ってる割りに臆病なんだな、アンタって」
佐助は面白がるように笑った。
はっきりとものを言うなアンタも、と慶次は更に苦笑を深くして。
「…多分、深入りする方法を忘れちまったのかも知れない」
距離の取り方を。
(…関わることが、想うことが怖くなって…)
関わり過ぎないようにしていた日々があまりにも長すぎて。
「アンタの主は、早く気付いてくれるといいな」
「ホント、いい加減にね」
佐助はまた深く溜息をつく。
(どれだけ思い続けてると思ってんだ…)
「俺様って、涙が出ちゃうくらい一途だわー」
佐助は残りのお茶を飲み干して立ち上がる。
「もう行くのかい?」
「多分、竜の旦那んとこに挑みに行ってると思うから」
止めないと、右目の旦那に俺が目で殺されそう。
と続ける佐助に、慶次も腰を上げた。
「政宗んとこ行くなら、俺も行こうかな…しばらく顔、見てないし」
見せた途端に斬りつけられたりして。
と慶次は笑うが、佐助は笑わなかった。
(…竜の旦那なら、ありうる…)
「アンタも主のご機嫌取りするんなら、団子買ってかねぇとな」
「それ、賛成」
二人はゆっくりとした足取りで茶屋を後にし、
現在進行形で奥州筆頭と虎の若子が火花を散らすその場所へ足を向けた。
※右目が胃に穴を開ける前に何とかして欲しいものである。
日向ぼっこを兼ねながら茶屋の軒先で休んでいた慶次の視界に入る姿。
いつもの迷彩では無い普通の格好をした佐助であった。
佐助の方もすぐに慶次に気付き少し驚いたような表情をしたが、
ゆっくりと歩いてきて「隣、失礼しますよ」と座る。
いいともあしとも言っていないのにと思いながらも、
珍しいこともあるもんだと慶次は笑った。
それから近況も兼ねて他愛も無い話をして、
佐助の分のお茶が置かれてから、絶妙なタイミングで佐助が口を開いた。
「で、本題」
何か聞きたそうな慶次の表情に気付いたらしい。
「あぁ…最近の恋の方は進んでるのかと思ってさ」
恋、恋、というのが慶次の口癖だ。
慶次がそういう理由を佐助は詳しく知らない(知る気もない)が、
何かがあったというのは察しがつく。
(…苦い、恋の経験…とか)
佐助はお茶一口飲んで、
「進むも何も、旦那がアレじゃあねぇ」
そう答えた。
“旦那”は恋というものに免疫のない性分なのは慶次も良く知っている。
慶次は溜息交じりの佐助の言葉にカラカラと明るく笑った。
佐助は組んだ膝の上に頬杖をつくと、目を眇めて慶次を見上げた。
「そういうアンタの方はどうなってるわけ?」
すると途端に笑顔が苦笑に変わった。
「こっちも進展ナシ、かな」
「何、ソレ、竜の旦那はアンタのこと好きなんだろ?」
この点において二人は異なる。
「もしかして、右目の旦那?」
「や、右目はそこまで野暮じゃないって」
じゃあ、何なんだ?とばかりに訝しがる佐助に、慶次は湯飲みを両手で抱える。
「俺を選び取ってくれと、そう言えるだけの価値は俺にはねぇからなぁ」
決定打を口にできないのは、慶次の方だ。
「人に“恋恋”言ってる割りに臆病なんだな、アンタって」
佐助は面白がるように笑った。
はっきりとものを言うなアンタも、と慶次は更に苦笑を深くして。
「…多分、深入りする方法を忘れちまったのかも知れない」
距離の取り方を。
(…関わることが、想うことが怖くなって…)
関わり過ぎないようにしていた日々があまりにも長すぎて。
「アンタの主は、早く気付いてくれるといいな」
「ホント、いい加減にね」
佐助はまた深く溜息をつく。
(どれだけ思い続けてると思ってんだ…)
「俺様って、涙が出ちゃうくらい一途だわー」
佐助は残りのお茶を飲み干して立ち上がる。
「もう行くのかい?」
「多分、竜の旦那んとこに挑みに行ってると思うから」
止めないと、右目の旦那に俺が目で殺されそう。
と続ける佐助に、慶次も腰を上げた。
「政宗んとこ行くなら、俺も行こうかな…しばらく顔、見てないし」
見せた途端に斬りつけられたりして。
と慶次は笑うが、佐助は笑わなかった。
(…竜の旦那なら、ありうる…)
「アンタも主のご機嫌取りするんなら、団子買ってかねぇとな」
「それ、賛成」
二人はゆっくりとした足取りで茶屋を後にし、
現在進行形で奥州筆頭と虎の若子が火花を散らすその場所へ足を向けた。
※右目が胃に穴を開ける前に何とかして欲しいものである。
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
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