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無題。

何となく、お風呂で思いついたメモを清書してみた。




※小政で戦場で血でなんか色々…なので要注意!戦場で昂ぶったままの政宗様を鎮める方法は。続きは折りたたみ↓↓

拍手[0回]


ビリビリと肌を刺す殺気。
誰一人この大地を濡らす血の海に立っているものなど居ないのに。
異常な程の昂ぶりに、その殺気が自ら発しているものなのだと気付くのにさして時間はかからなかった。
もう此処に敵はない。
自分を脅かすものなど何も無いというのに治まらない。
抑えきれない。
抜き身の刀を持つ手は未だ敵を斬る時のように力が込められている。
近づいてくる気配に反射的に右手が出る。
その刃を自らの刀で受け止めたのは小十郎だった。
その姿に安堵して刀を下ろすと従うように小十郎も刀を鞘に収めた。

「政宗様、」

けれど安堵しているのに刀は鞘に収まらない。
刀に引き摺られるように手が放せない。
名を呼びながら目を合わせる小十郎が少し表情を険しくしたのは何故だろうか。
「小十…」
抜き身の刀を小十郎の左手が動きを牽制するように握る。
押すことも引くことも叶わない程強く握られた刀。
刃が食い込みその手を深く傷つける。
心が揺らいだその瞬間を狙ったように小十郎の右手が頭を引き寄せる。
兜は乾いた音を立てて地面に落ちた。
「…ん……ふ…」
言葉も呼吸もすべて飲み込んでしまうような深い接吻に、意識が攫われる。
触れた熱が狂った昂ぶりを違うものに塗り替えていく。
「……っは……ぁ……」
口唇が離れて、息継ぎをしながらもただ触れたくなって。
手にしていた刀を放すと小十郎の頭を両手で引き寄せて口唇を合わせた。
深く貪欲に小十郎の髪を掻き乱して。
むせ返る血の匂いに混じった小十郎の汗の匂い。

(もっと、……もっと、だ)

小十郎が握っていた刀が地面に落ちる。
自分を避けるように隠された左手の指先から血が滴ったのを見逃さない。
きっとその血が自分に触れないようにしているのだ。
「小十郎…」
名を呼んで、血塗れの左手を掴む。

(これは、俺がつけた傷)

そしてその手を自分の頬に当てる。
指先も手のひらも満遍なく。
血が頬を緋色く染めて。
「政宗様、」
戸惑う小十郎の声を無視して。

(俺に触れろ)

お前の手で、
身体を廻るその緋色い血で、
この俺をもっと。
もっと。




(穢せ)
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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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