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胸を焦がす想いも、

触れた口唇も、


自分という存在のすべてを君に捧ぐ。







※永月さんよりリクエスト。蒼は「右目」に、右目は「心臓」に。
こっ恥ずかしいので折りたたみ↓↓

拍手[0回]

はっとして振り返った視界に入ったのは見慣れた背中で。
その時思ったのだ。

あぁ、また自分が負うべき傷がひとつ増えた、と。

刀を抱えながら目を閉じていると、小さく呻く声が聞こえた。
目を開けて視線を遣ると、横になっていたはずの小十郎が身体を起こしていた。
刀を投げ捨てるように置いて起こすのを助ける。
着物の合わせから覗く包帯の白に手を止めるとそれに気付いた小十郎が苦笑した。

「政宗様、お怪我は…」

「shit!それはこっちのセリフだぜ、小十郎」

飛び出した小十郎の言葉に苦笑した。
こんな状況でさえ、小十郎は自らを省みず他の心配をする。

「…痛むか?」

傷に障らぬよう気遣いながら包帯を撫でると「いえ、」この程度大したことではない、などと言う。
やせ我慢しやがってと撫でる手に力を込めてやろうかと思ったがやめた。
そんなことをしたいのではない。

「政宗様?」

これは、自分が負うはずだった傷。
本当は大したことじゃないわけがないのだ。
ぼんやりしていると小十郎の指が顎をなぞって、
促されるように顔を上げれば触れるだけの軽い口付け。
小さな音を立てて離れたのを少し惜しいと思ったら、
それを見抜かれたようにさっきよりも確かな口付け。
包帯を撫でていた手はいつしか小十郎の着物をしっかりと掴んでいた。
それから引き合うように何度も口唇を重ねた。
離れた時には既に呼吸が乱れていたがそれを不快だとは思わなかった。

「…お前、な」

怪我人のくせに。
見上げれば悪気のない表情で

「…(接吻)して欲しそうだった様に見えたのですが、」

違いますか?と言われた。
答えずに沈黙しているとさらりと髪を撫でられた。

「…政宗様は接吻がお好きですからね」

だから甘えるときはすぐに分かるのだと小十郎は笑う。

「…わ、悪ぃか」

そう言いながらも、
小十郎とて慰めるように宥めるようにくれるのはいつだって優しい口付けで。
それは自分が甘えるからだと言われてしまえば何も言えなくなってしまうのだが。

「…いえ、」

そう穏やかに小十郎は答える。
それが少し悔しい気がして、

「お前も好きだろ?」

「政宗様がお相手をしてくださるならば、の話ですが」

と動じた様子ひとつ見せない。
普段はこんな歯の浮くようなことひとつ言わない堅物が、
こんな恥ずかしいことを臆面もなく言うのは甘やかされている証拠。
有能な右目はちゃんと主人の扱いを心得ているというわけだ。
それも悪くない。

「…悪くないな、」

呟くと、不思議そうに向けられる視線。

「お前はどこに接吻して欲しいんだ?」

真剣に問えば、

「…では、此処、に」

迷いもなく小十郎が指した場所。

「…此処、って」

合わせを開けて指したそれは、規則正しい鼓動を刻む心臓の上。


「小十郎のすべては、貴方のものですから」


その言葉に惹かれるようにゆっくり心臓の上に口付ける。
そして、向けられる視線を真っ直ぐに見返しながら

「…なら、
お前も、此処、に」

眼帯の紐を解いて右目を曝す。
小十郎は右目を隠す髪を上げ、静かに口付けた。

「お前は俺の右目、」

口唇が離れてもまた視線が絡まって。




「最期の時まで、二度とどんな理由があろうと俺の傍を離れるな」








※互いに誓う。それぞれの要に、誓う。
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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
33
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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