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風が吹いて曇天に、

空は刻々と変化していく。
その日は、強い風が吹いていた。
木々は煩いくらいに音をたて枝をしならせる。
外を眺め戸を閉めようとした時、
不意に目に留まった黒い影。

(…何、だ?)

見間違いでなければ、
恐らく同じくらいの背丈の少年。
こんな日に何考えてんだか。
呆れたように目を眇たが、
それも次の瞬間には変わる。
風に揺れる鮮やかな赤髪。
顔に引かれた同色のライン。
その緋色に目を奪われる。

(アイツ、何者だ…?)

大型手裏剣の上に揺らぐことなく立ち、
何かを見据えているかのように微動だにしない。

昔に聞いたことがある。
強い風は雨雲と共に魔を連れてやってくる、と。
人をも魅了してやまない、魔。

「…風…魔…」

もしそんなものが存在するとしたら、
それはきっとあんな姿をしているんだろうか。

「っ!」

瞬時に首筋に突き付けられるクナイ。
口は確かに動いているのに、聞こえない声。


『 そ の な を よ ぶ な 』


瞬きも忘れて、鼻先が触れそうなくらい近くにある顔を見ていた。
不意にまた風が唸りをあげて、
気が付くと気配は消えていた。

郷に居るものなら皆知っている。
風魔の里のこと、
伝説の忍と名高い、「風魔小太郎」のこと。

「……は、はは…」

一歩も動けなかった。
口元を歪ませると、乾いた笑いが込み上げてくる。

風魔の中で最も実力ある者に受け継がれるその名。
その実力の片鱗か、アレ、か。
自分と大して歳も変わらないくらいの、子ども。
いづれ彼はその名を継ぐのかもしれない。

(或いはもう、既に継いでいる可能性だって…)

手が震える。
まだ及ばない、絶対的な力の差。
いつか、アレ、と敵対することがあるのだろうか。
だとすれば、果たしてその時の自分は勝てるのだろうか。

「…マジで、あり得ないっつーのっ…」

スパンっ…
未だ麻痺したままの手で、
勢い良く戸をたてた。
















昔に何かの手違いで、無口な忍と迷彩の忍が出会って居たらって妄想。
口には出さないけど、無口な忍に負けなくないと思って幼い迷彩が頑張ってたら可愛いと思う。
そして運命の紅と出会ってしまう…と。

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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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