monocube
ニッケルキリ番「5927」のお題。
鈴雅さんより、またキリリク(笑)
○ボーンの59+27です。こちらも興味があればどうぞ。
「そっか、そうだよね…生まれてなきゃ、獄寺くんともこうして話せなかったんだから」
愛しい貴方の生まれたこの日に、心からの感謝を。
『君という花』
修行は必要。
自分はあの人の右腕になるのだから。
何があってもあの人を守る。
そしてあの人が悲しまないように、自分も守ってみせる。
それが、一番自分に必要な思い。
でも、今日は。
獄寺は走っていた。
でも、今日だけは。
修行の後で体力が随分落ちている。疲れもある。
でも、今日だけは許してほしい。
傍に、行くことを。
「何だツナ、戻らねーのか」
リボーンの言葉に、ツナは苦笑して頷いた。
「もう少しだけ、ここにいるよ。だから俺のことは気にせず…」
「じゃ、帰るぞバジル」
「ってソッコーかよ!」
リボーンはツナを気にするバジルを連れて、早々に引き上げていった。それをツナは見送って、大きく深呼吸をした。
(みんな今頃何してるんだろうなぁ…)
ツナは首に下げたリングを眺める。
平和な日常。このリングがなければ、誰一人追い詰められることも命がけになることもなかった。でも、誰一人それを嘆くこともツナを責めることもなく。必死で、守ろうとしている。
「…俺だって、」
(本当は怖いけど、逃げたいけど…でも一人じゃないから)
「よしっ、」
ツナは立ち上がり、両手で頬を叩いた。
「…負けるもんか」
ツナが呟いた時、後ろから物音がした。
「うわぁあっ、だっ、誰!?」
音のした方向に目を凝らすと見知った顔がのぞいた。
「ご、獄寺くん!?」
獄寺は苦笑して頭を掻いた。
「驚かせてすみません、十代目」
ツナは安堵の息を吐いて笑った。
「今日の修行は終わったの?」
「はい。あ、もしや修行のお邪魔だったとか…」
「ううん、俺も終わって戻ろうかと思ってたとこ」
「それなら良かった…」
獄寺が安心して穏やかに笑う。ツナはその表情にらしくもなくドキッとした。
「十代目?」
覗き込む獄寺にツナは慌てて首を振った。
「ううん、何でもない」
すると獄寺はそわそわしだした。不思議そうにツナが見ていると、やがて意を決したように口を開いた。
「十代目、今から少しの間…俺に時間をください」
「…何?急に改まって」
「どうしても、今日貴方に伝えたくて」
ツナは黙って獄寺の言葉を待つ。すると獄寺はダイナマイトを取り出して宙に放った。
「ちょ、獄寺くん!?」
ダイナマイトが爆発する、目を瞑ったツナの耳に聞こえたのは。
「十代目、お誕生日おめでとうございますっ」
その声に目を開けると、にっこりと嬉しそうに笑う獄寺。そして。
「…花、火?」
夜空に花が咲いていた。確かに投げたのはダイナマイトだったはず。
「…何で?」
「ジャンニーニが来たときに改造されたやつっス!たまには使えるもん残して行きやがりますね、アイツも」
獄寺はやっぱり嬉しそうで。
「どうしても十代目のお誕生日祝いたくて、」
自分ですら忘れていた。
「そしたら、足が勝手に走り出してました」
ツナは呆然と獄寺を見上げる。
「十代目、俺はすげー嬉しいんスよ」
貴方が生まれてきてくれたことが。
貴方の傍で笑っていられることが。
獄寺はツナの手を握った。
「だから、俺は負けません」
貴方を悲しませることはしたくないから。
「俺を、信じてください」
獄寺の言葉に、ツナはその手を握り返した。
「獄寺くん…ありがと」
掴んだ手は緊張していて、どれだけ勇気を振り絞っているのか気づいてしまった。だから。
(俺も、それに応えたい)
「俺も信じてるから、」
ツナは真っ直ぐに獄寺を見、笑った。
オマケ
「アイツら本ト進まねーな」
「や、やはり覗き見は…」
「さっさと告白しちまえばいいのに」
「リボーン殿っ(慌)」
しっかりデバガメしてる二人(笑)
キリリク消化です。
因みに、14日が彼の誕生日だったので、それも合わせての小話でした。
遅れ馳せながら、ハピバ!つなよし!!
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好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。