monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
繰り返しサイクル
デビサバ2のSSその2。
友人SSに一部リンクしていますが、まぁ、これだけでも(笑)
※ED後、2週目ルート(主人公1週目ルート記憶あり、相棒はピクシー)ネタバレ注意
幾多もの歯車。広間といっても差し支えないほどのエントランス。
国会議事堂の地下に存在する、その組織の、支配者。
「…君たちには、大阪へ同行してもらいたい」
セリフが辛うじてお願いの体裁を取っているが、言い方から察するにこちらに選択権はない。
戸惑う仲間たちを横目に、また幼い支配者を見る。
彼が笑う。
「…もう、心を決めている者もいるようだが」
その言葉に仲間の視線が向く。
「お、おい冗談だろ…?」
「急に大阪だなんて言われても」
それでも尚戸惑う仲間に。
「此処にいるより、詳しい状況が解るかもしれない…それだけの、価値はある」
この一歩。
ここから"タワー"を持つ都市に起こったすべてを知るのだ。
あの時、と同じように。
自分自身を納得させるように呟いたり周りを窺っていた仲間たちは考え込みながらその場を後にする。
こうなることなど端から解っていたとばかりに、彼は部下に指示を出しすれ違い様、
「…どうやら、覚えているらしいな…いや、思い出したと言うべきか」
彼は笑う。
「さて、お前は何をする?」
あの時の他人行儀な呼び方ではなく、馴れ馴れしくそう問うて彼は出て行った。
「10時に新橋だ、くれぐれも遅れないようにな」
そう補足して、真面目を絵に描いたような部下は後を追うように出て行った。
どうやら彼は覚えている、らしい。
それが峰津院家の血によるものなのか、それとも誰かの力の影響なのか定かではないが。
そしていずれ、彼とは対立するのだろう。
『この先に待つ未来次第では、再びお前の敵として、実力主義を実現してやる』
とかなんとか、言われていたから。
らしくもなく思い出し笑いをしていると、ツンツンと髪を引っ張られた。
「なーに、にやけてるの?」
どうやら人気がなくなったのを見計らって勝手に出てきたようだ。
携帯を見れば召喚アプリが起動している。
「うん?ちょっと思い出して」
「アイツこの前の時もナマイキーって思ってたけど」
相棒は肩に座って腕を組む。
この前、という言葉に体感している時間の差を感じた。
「お前には、この前、なんだな」
「ぅん?」
意味が分からないのか首を傾げる仕草が少し可愛い。
「いや、何でもないよ」
ポケットから取り出したメモを再び捲ると、体勢を変えて一緒に覗き込んでくる。
「大阪…ケイタとヒナコさん、それからフミか、」
「あの、変な研究してる子?」
仲間の区別は大してできていない(本人談)相棒も、召喚アプリを調べたり何かと不審な行動をとっていたフミのことは覚えたらしい。
「そう、ちゃんと会うのは名古屋だけど…」
ペラリとメモを捲る。
「名古屋支部奪還の後に、福岡を知って…その時にはかなり浸食されてたはずだから」
「でもその変な子いないと、少し面倒なんじゃない?」
メモのフミの名前をトントンと叩く。
ターミナルのことを相棒は指しているのか?
確かに朱雀は力を貸してくれると言ったが、意外とスケジュールが立て込む大阪だ。
今回もなかなかキツい。福
岡行きもそれなりに苦労したのだ。
「よく覚えてたな、」
その言葉に腰に手を当てて胸を張る。
えっへんと聞こえてきそうだ。
「今、三都市以外がどうなってるか分かれば…福岡もまだマシな状態になるかもしれないな…」
これは仲魔に協力してもらうべきか。
朱雀は外せないとして、他に連れをつけるべきだろうか。
そう言えば、アリスが空を飛びたいとか言っていたことがあったか。
「アリス、朱雀と一緒に三都市以外の様子見を頼む」
声をかけるとひょっこりあどけない少女が顔を出した。
「お散歩してきていいの?」
その表情は期待と好奇心に満ちている。
「うん、行っておいで」
軽く頭を撫でると、鳥さーん、と楽しそうに呼びながら戻って行った。
トントン、とメモが揺れる。
地団駄、らしい。
「まぁ、アリスやスザクが居なくてもちゃーんとアタシが守ってあげるんだからね!」
指の腹でかるく明るい茶色の髪を撫でる。
「頼りにしてるよ、相棒」
きょとんとしていた相棒が赤らんだ顔をフイと逸らして。
「ほ、ほら!決まったら他の子たちの説得よ説得!」
そうヒラヒラと周りを飛んでから、小さな両手で服の袖を引っ張ってくる。
「…そうだね、じゃあ、行くか」
メモをポケットにしまって歩き出す。
まだまだ、やることはたくさんあるのだ。
end.
友人SSに一部リンクしていますが、まぁ、これだけでも(笑)
※ED後、2週目ルート(主人公1週目ルート記憶あり、相棒はピクシー)ネタバレ注意
幾多もの歯車。広間といっても差し支えないほどのエントランス。
国会議事堂の地下に存在する、その組織の、支配者。
「…君たちには、大阪へ同行してもらいたい」
セリフが辛うじてお願いの体裁を取っているが、言い方から察するにこちらに選択権はない。
戸惑う仲間たちを横目に、また幼い支配者を見る。
彼が笑う。
「…もう、心を決めている者もいるようだが」
その言葉に仲間の視線が向く。
「お、おい冗談だろ…?」
「急に大阪だなんて言われても」
それでも尚戸惑う仲間に。
「此処にいるより、詳しい状況が解るかもしれない…それだけの、価値はある」
この一歩。
ここから"タワー"を持つ都市に起こったすべてを知るのだ。
あの時、と同じように。
自分自身を納得させるように呟いたり周りを窺っていた仲間たちは考え込みながらその場を後にする。
こうなることなど端から解っていたとばかりに、彼は部下に指示を出しすれ違い様、
「…どうやら、覚えているらしいな…いや、思い出したと言うべきか」
彼は笑う。
「さて、お前は何をする?」
あの時の他人行儀な呼び方ではなく、馴れ馴れしくそう問うて彼は出て行った。
「10時に新橋だ、くれぐれも遅れないようにな」
そう補足して、真面目を絵に描いたような部下は後を追うように出て行った。
どうやら彼は覚えている、らしい。
それが峰津院家の血によるものなのか、それとも誰かの力の影響なのか定かではないが。
そしていずれ、彼とは対立するのだろう。
『この先に待つ未来次第では、再びお前の敵として、実力主義を実現してやる』
とかなんとか、言われていたから。
らしくもなく思い出し笑いをしていると、ツンツンと髪を引っ張られた。
「なーに、にやけてるの?」
どうやら人気がなくなったのを見計らって勝手に出てきたようだ。
携帯を見れば召喚アプリが起動している。
「うん?ちょっと思い出して」
「アイツこの前の時もナマイキーって思ってたけど」
相棒は肩に座って腕を組む。
この前、という言葉に体感している時間の差を感じた。
「お前には、この前、なんだな」
「ぅん?」
意味が分からないのか首を傾げる仕草が少し可愛い。
「いや、何でもないよ」
ポケットから取り出したメモを再び捲ると、体勢を変えて一緒に覗き込んでくる。
「大阪…ケイタとヒナコさん、それからフミか、」
「あの、変な研究してる子?」
仲間の区別は大してできていない(本人談)相棒も、召喚アプリを調べたり何かと不審な行動をとっていたフミのことは覚えたらしい。
「そう、ちゃんと会うのは名古屋だけど…」
ペラリとメモを捲る。
「名古屋支部奪還の後に、福岡を知って…その時にはかなり浸食されてたはずだから」
「でもその変な子いないと、少し面倒なんじゃない?」
メモのフミの名前をトントンと叩く。
ターミナルのことを相棒は指しているのか?
確かに朱雀は力を貸してくれると言ったが、意外とスケジュールが立て込む大阪だ。
今回もなかなかキツい。福
岡行きもそれなりに苦労したのだ。
「よく覚えてたな、」
その言葉に腰に手を当てて胸を張る。
えっへんと聞こえてきそうだ。
「今、三都市以外がどうなってるか分かれば…福岡もまだマシな状態になるかもしれないな…」
これは仲魔に協力してもらうべきか。
朱雀は外せないとして、他に連れをつけるべきだろうか。
そう言えば、アリスが空を飛びたいとか言っていたことがあったか。
「アリス、朱雀と一緒に三都市以外の様子見を頼む」
声をかけるとひょっこりあどけない少女が顔を出した。
「お散歩してきていいの?」
その表情は期待と好奇心に満ちている。
「うん、行っておいで」
軽く頭を撫でると、鳥さーん、と楽しそうに呼びながら戻って行った。
トントン、とメモが揺れる。
地団駄、らしい。
「まぁ、アリスやスザクが居なくてもちゃーんとアタシが守ってあげるんだからね!」
指の腹でかるく明るい茶色の髪を撫でる。
「頼りにしてるよ、相棒」
きょとんとしていた相棒が赤らんだ顔をフイと逸らして。
「ほ、ほら!決まったら他の子たちの説得よ説得!」
そうヒラヒラと周りを飛んでから、小さな両手で服の袖を引っ張ってくる。
「…そうだね、じゃあ、行くか」
メモをポケットにしまって歩き出す。
まだまだ、やることはたくさんあるのだ。
end.
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。