monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
今更ながら、昨年のハロウィン企画。
鈴雅さんにもらったSSのお題で『やっぱり言わなきゃよかった』の僕的解釈で返したSS。
ちなみに僕の解釈は、
佐助にお菓子をねだってみたら、『どんないたずらしてくれるの?』と(期待しながら)聞かれたので少々(手探りしながら)考えていると、突然(じれた佐助から)キスをされた。…この展開は(俺の理性が)危ない気がする。
というものでした。
※小十佐注意!続きは折りたたみ↓↓
「…あれ?」
ふとダイニングを探しながら首を傾げる。
この間買ってきたお煎餅もチョコレートも、それから一緒に行った買い物帰りに買ったドーナツ(100円セール中だった)までキレイさっぱり消えている。
ダイニング(というかキッチン)は基本自分の領域なのだが…。
澄まし顔でコーヒーを入れているこの男以外の犯人の可能性があるなら教えてほしいくらいだ。
「ねー、お菓子キレイに消えちゃってるんだけど」
頬杖をついて見上げると、まるで意に介してない様子でコーヒーが差し出される。
今日のコーヒーにはマシュマロがひとつ浮いている。
「トリックオアトリート」
「…?」
反射的に受け取ったが、男の言葉の意味を理解するまで手間取った。
だってあまりにイタズラ心もへったくれもない真面目な顔で言われたものだから。
呆気に取られた表情に男は笑って額を指ではじくとコーヒーを手にソファーに座った。
コーヒーを一口飲み、テーブルに置く。
男のコーヒーにはマシュマロは浮かんでいなかった。
「ハロウィンなら尚更お菓子隠す意味が分からな……って、旦那イタズラしたいの?」
珍しいこともあるもんだ!
手にしたコーヒーをテーブルに置き、すぐ傍らに正座で座る。
「あげるお菓子ないしねぇ、…で、どんなイタズラしてくれるの?」
きっちり膝の上に手を置いて期待の眼差しを向けると、ようやく男と目が合った。
男はどうしたものか考えているのか黙ったままなにも言わなかったが、腰を引き寄せる腕。
その指先が不埒な意図を持って背骨の窪みを撫でて、肩を竦めるようにそれをやり過ごす。
「…旦那、」
「さて、どんなイタズラをしたもんか」
本当に考えてるのか否か、そんなことを呟く。
その間にも不埒な手はこっちの意識を掻き乱す。
「…~~っ!」
きれいにのりの利いたシャツの襟を引いて口づける。
(いや、このシャツにアイロンしたの俺様だけども)
多少噛みつくようになったのは仕方ない。
睨んだら、男は少し笑って。
「…お前はどんなイタズラされたいんだ?」
どうせこちらの意図など、キスした時点で男にはお見通しだろう。
それでも聞いてくるなんて、どっちが仕掛けたか解らなくなる。
「…旦那って、ホントにズルい…」
意趣返しで呟いたら、くいっと上を向かされてすぐにキスされた。
さっきのとは全然違う胃もたれすら起こしそうなほど、コーヒーに浮かんだマシュマロみたいにそれは甘く甘く。
end.
ちなみに僕の解釈は、
佐助にお菓子をねだってみたら、『どんないたずらしてくれるの?』と(期待しながら)聞かれたので少々(手探りしながら)考えていると、突然(じれた佐助から)キスをされた。…この展開は(俺の理性が)危ない気がする。
というものでした。
※小十佐注意!続きは折りたたみ↓↓
「…あれ?」
ふとダイニングを探しながら首を傾げる。
この間買ってきたお煎餅もチョコレートも、それから一緒に行った買い物帰りに買ったドーナツ(100円セール中だった)までキレイさっぱり消えている。
ダイニング(というかキッチン)は基本自分の領域なのだが…。
澄まし顔でコーヒーを入れているこの男以外の犯人の可能性があるなら教えてほしいくらいだ。
「ねー、お菓子キレイに消えちゃってるんだけど」
頬杖をついて見上げると、まるで意に介してない様子でコーヒーが差し出される。
今日のコーヒーにはマシュマロがひとつ浮いている。
「トリックオアトリート」
「…?」
反射的に受け取ったが、男の言葉の意味を理解するまで手間取った。
だってあまりにイタズラ心もへったくれもない真面目な顔で言われたものだから。
呆気に取られた表情に男は笑って額を指ではじくとコーヒーを手にソファーに座った。
コーヒーを一口飲み、テーブルに置く。
男のコーヒーにはマシュマロは浮かんでいなかった。
「ハロウィンなら尚更お菓子隠す意味が分からな……って、旦那イタズラしたいの?」
珍しいこともあるもんだ!
手にしたコーヒーをテーブルに置き、すぐ傍らに正座で座る。
「あげるお菓子ないしねぇ、…で、どんなイタズラしてくれるの?」
きっちり膝の上に手を置いて期待の眼差しを向けると、ようやく男と目が合った。
男はどうしたものか考えているのか黙ったままなにも言わなかったが、腰を引き寄せる腕。
その指先が不埒な意図を持って背骨の窪みを撫でて、肩を竦めるようにそれをやり過ごす。
「…旦那、」
「さて、どんなイタズラをしたもんか」
本当に考えてるのか否か、そんなことを呟く。
その間にも不埒な手はこっちの意識を掻き乱す。
「…~~っ!」
きれいにのりの利いたシャツの襟を引いて口づける。
(いや、このシャツにアイロンしたの俺様だけども)
多少噛みつくようになったのは仕方ない。
睨んだら、男は少し笑って。
「…お前はどんなイタズラされたいんだ?」
どうせこちらの意図など、キスした時点で男にはお見通しだろう。
それでも聞いてくるなんて、どっちが仕掛けたか解らなくなる。
「…旦那って、ホントにズルい…」
意趣返しで呟いたら、くいっと上を向かされてすぐにキスされた。
さっきのとは全然違う胃もたれすら起こしそうなほど、コーヒーに浮かんだマシュマロみたいにそれは甘く甘く。
end.
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。