monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
それはまるで口癖のように、
「恋はいいよ、あったかくてさ」
男は目を伏せて笑った。
それはまるで、辛い現実に見ないフリをしているようで。
「…そういうもんは縁がねぇな、俺には」
恋だの、愛だの、
負の感情とは違う、「そういう」類の感情は少し苦手だ。
例えば、
「小十郎は、そういうんじゃねぇだろ」
すると男は盛大に声を上げて笑った。
後で小十郎に怒られても知らねぇぞ。
「あいつは、…」
小十郎が向けるのは、
恐らく負の感情ではない。
時に行動を阻み、諫め、力ずくで止めるのは、
それがよくないことだと思うからだ。
蒼、という存在にとって。
「時々、誰を見てんのか解からねぇことがある」
背を預けた存在が、
その背を誰のものと見ているのか。
奥州筆頭として。
伊達政宗として。
「でも、…あいつの土臭い手は、嫌いじゃねぇ」
戦を離れた時に向ける穏やかな表情も、
いつまでも自分を子ども扱いをする手も、
さりげなく欲しい時に甘やかしてくれる腕も。
「ま、確かにそりゃ恋だの愛だのとは違うけどさ、」
男はまた、柔らかい表情で目を伏せる。
「けど、…そりゃあ、それもよりももっとずっと深い、家族、みたいなもんだろ」
そういう暖かさってやつには、
生まれてこのかた運がない。
蔑まされ、迫害され、
小さな身体に降り注ぐのは、悪意と毒を孕んだ言葉。
それを知っていたから、それを覆すだけの力を欲しがった。
だれかが非情になるのなら、自分が非情になろうと。
せめて自分の目の手の力の及ぶ場所だけでも、守ろうと。
「そういう奴はさ、」
知らぬ間に握り締めていた手を、
男は抜かりなく気がついて解いていく。
「あたたかさと痛みを知ってる奴は、強くなるよ」
手のひらに食い込んだ爪痕に血が滲んでいた。
その赤に、男は優しく口付けを落とす。
「正直、俺は誰が天下を取ろうが興味はねぇさ」
でも。
「それが、アンタなら少しは浮世もマシになるんじゃねぇかって思うよ」
穏やかに笑う表情が、何故か泣いているようにも見えて。
空いた手で長い髪を梳いて、
顔を上げた男のでかい図体に両腕を回す。
「…じゃあ、そうなるまでもう少し我慢してろ」
何故だか、どうしようもなく、この淋しがりやの男が、愛おしくなった。
漸く忍から脱出。
傾奇者の彼はすごく大切にしたいキャラです(笑)幸せで笑ってるのに、彼には常に寂寥感が付きまとってる感じがしてならない。だから、周りの皆さんは彼に会うときは思いっきりぎゅーって抱きしめてやればいい。
男は目を伏せて笑った。
それはまるで、辛い現実に見ないフリをしているようで。
「…そういうもんは縁がねぇな、俺には」
恋だの、愛だの、
負の感情とは違う、「そういう」類の感情は少し苦手だ。
例えば、
「小十郎は、そういうんじゃねぇだろ」
すると男は盛大に声を上げて笑った。
後で小十郎に怒られても知らねぇぞ。
「あいつは、…」
小十郎が向けるのは、
恐らく負の感情ではない。
時に行動を阻み、諫め、力ずくで止めるのは、
それがよくないことだと思うからだ。
蒼、という存在にとって。
「時々、誰を見てんのか解からねぇことがある」
背を預けた存在が、
その背を誰のものと見ているのか。
奥州筆頭として。
伊達政宗として。
「でも、…あいつの土臭い手は、嫌いじゃねぇ」
戦を離れた時に向ける穏やかな表情も、
いつまでも自分を子ども扱いをする手も、
さりげなく欲しい時に甘やかしてくれる腕も。
「ま、確かにそりゃ恋だの愛だのとは違うけどさ、」
男はまた、柔らかい表情で目を伏せる。
「けど、…そりゃあ、それもよりももっとずっと深い、家族、みたいなもんだろ」
そういう暖かさってやつには、
生まれてこのかた運がない。
蔑まされ、迫害され、
小さな身体に降り注ぐのは、悪意と毒を孕んだ言葉。
それを知っていたから、それを覆すだけの力を欲しがった。
だれかが非情になるのなら、自分が非情になろうと。
せめて自分の目の手の力の及ぶ場所だけでも、守ろうと。
「そういう奴はさ、」
知らぬ間に握り締めていた手を、
男は抜かりなく気がついて解いていく。
「あたたかさと痛みを知ってる奴は、強くなるよ」
手のひらに食い込んだ爪痕に血が滲んでいた。
その赤に、男は優しく口付けを落とす。
「正直、俺は誰が天下を取ろうが興味はねぇさ」
でも。
「それが、アンタなら少しは浮世もマシになるんじゃねぇかって思うよ」
穏やかに笑う表情が、何故か泣いているようにも見えて。
空いた手で長い髪を梳いて、
顔を上げた男のでかい図体に両腕を回す。
「…じゃあ、そうなるまでもう少し我慢してろ」
何故だか、どうしようもなく、この淋しがりやの男が、愛おしくなった。
漸く忍から脱出。
傾奇者の彼はすごく大切にしたいキャラです(笑)幸せで笑ってるのに、彼には常に寂寥感が付きまとってる感じがしてならない。だから、周りの皆さんは彼に会うときは思いっきりぎゅーって抱きしめてやればいい。
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。