monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
発作のように繰り返す、
諦めてしまった、あの時。
得物が大振りで馬鹿みたいにでかいのは、
切っ先を向ける相手を見たくないから。
人を斬ったり倒したり、その感触は消えることなく手に残っていて。
相手の動きをみれば、無意識に身体が回避・反撃の動きをする。
染み付いた闇は、いつまでも拭えなくて。
「…人を斬る感触ってのは、嫌だねぇ」
得物はでかくて、些細な感触が手に残らないほうがいい。
気付いてしまえば、いつだって「あの時」に戻ってしまう。
「だから戦は好きじゃない」
我ながら珍しく饒舌だと思いながら、退屈そうに煙管を持つ蒼に視線を向けて。
「戦はみーんな、祭りになっちまえばいいのに」
「Ha!てめぇみたいな馬鹿が増えたら面倒だろうが」
蒼は呆れたように笑うのに、なぜか、笑い返すことが出来なかった。
「なぁ、」
近づいてその着物の裾を軽く掴む。
「今日は此処に置いてくんねぇ?」
それはお願いではなく、確認。
「…でけぇ図体は邪魔だからな、」
断られたのかと、思った。
「とりあえず、枕になれ」
「はいはい、膝ならいくらでも貸しますよ、」
笑ったら、軽く頭を殴られた。
「膝じゃねーよ、腕だ、腕」
本気で目の前の男が何を言ってるのか理解できなかった。
自分より小さな身体がひっついてくるのは慣れている。
子どもは存外こういうことを喜ぶから。
「あのー…政宗、さん?」
背中に回される腕。
近すぎるほど近くに感じる体温。
「枕は喋らねーだろ」
ぶっきらぼうな言葉に苦笑する。
腕は枕として使用中で、逃げるという選択肢はそもそもない。
(…ダメだな、思い出す)
あの時、この両腕でかき抱いたのは。
温もりを失った愛しき人。
それを奪ったのは唯一無二の友。
男は強さを得るために弱きを捨てた。
弱きを捨てなければ強くなれないと言うなら強さなどいらない。
だけどただ、ひとつ。
譲れない想いがあって。
「…アンタはさ、幸せかい?」
「――――さぁ、な」
希(コイネガ)う。
幸せってのがどんなものか知らないという蒼に、
少しでも多く幸せが降り注ぐように。
「…俺はさ、みんなが幸せなら、それでいいんだよ」
自分は諦めてしまったから。
「…それが、いいんだ」
幸せを願えば願うほど、壊れたものを思い出して臆病になる。
自分の幸せを望むことができなくなって。
「てめぇの言う“幸せ”がどんなもんかは知らねぇが、」
蒼は、言う。
「そういうのは、てめぇも幸せじゃなきゃできねぇんじゃねーのか?」
誰かの幸せを望むことは。
「…そ、か、じゃあ…どうしようかな」
諦めてしまった自分には、出来ないこと?
「まぁ、そんときゃ俺がみんな幸せにしてやるよ」
幸せを知らない、蒼は、言う。
「そうすりゃ、てめぇも幸せなんだろ?」
それでこの話は終わりだ、いい加減ゆっくり寝かせろ。
蒼はそう事も無げに言って黙り込んだ。
蒼は知っていたのだろうか?
見抜いていたのだろうか?
だから。
『とりあえず、枕になれ』
許してくれた?
『膝じゃねーよ、腕だ、腕』
抱きしめてくれた?
あぁ、この温もりはこんなにも優しい。
(…やべ、泣きそう…)
そんなことを口にすれば、
きっとこの男は「じゃあ泣きゃあいいじゃねぇか」と至極真面目な表情で言うのだろうが。
引き続き、傾奇者と蒼様の話。
殆ど自分の胸の内を明かさない傾奇者でも、たまには蒼様に本音を見せることもあっていいんではないかと。
秀吉とねねさんのことを、ぼんやりぼかしで。でもやっぱりイマイチ口調が分からない…orz
得物が大振りで馬鹿みたいにでかいのは、
切っ先を向ける相手を見たくないから。
人を斬ったり倒したり、その感触は消えることなく手に残っていて。
相手の動きをみれば、無意識に身体が回避・反撃の動きをする。
染み付いた闇は、いつまでも拭えなくて。
「…人を斬る感触ってのは、嫌だねぇ」
得物はでかくて、些細な感触が手に残らないほうがいい。
気付いてしまえば、いつだって「あの時」に戻ってしまう。
「だから戦は好きじゃない」
我ながら珍しく饒舌だと思いながら、退屈そうに煙管を持つ蒼に視線を向けて。
「戦はみーんな、祭りになっちまえばいいのに」
「Ha!てめぇみたいな馬鹿が増えたら面倒だろうが」
蒼は呆れたように笑うのに、なぜか、笑い返すことが出来なかった。
「なぁ、」
近づいてその着物の裾を軽く掴む。
「今日は此処に置いてくんねぇ?」
それはお願いではなく、確認。
「…でけぇ図体は邪魔だからな、」
断られたのかと、思った。
「とりあえず、枕になれ」
「はいはい、膝ならいくらでも貸しますよ、」
笑ったら、軽く頭を殴られた。
「膝じゃねーよ、腕だ、腕」
本気で目の前の男が何を言ってるのか理解できなかった。
自分より小さな身体がひっついてくるのは慣れている。
子どもは存外こういうことを喜ぶから。
「あのー…政宗、さん?」
背中に回される腕。
近すぎるほど近くに感じる体温。
「枕は喋らねーだろ」
ぶっきらぼうな言葉に苦笑する。
腕は枕として使用中で、逃げるという選択肢はそもそもない。
(…ダメだな、思い出す)
あの時、この両腕でかき抱いたのは。
温もりを失った愛しき人。
それを奪ったのは唯一無二の友。
男は強さを得るために弱きを捨てた。
弱きを捨てなければ強くなれないと言うなら強さなどいらない。
だけどただ、ひとつ。
譲れない想いがあって。
「…アンタはさ、幸せかい?」
「――――さぁ、な」
希(コイネガ)う。
幸せってのがどんなものか知らないという蒼に、
少しでも多く幸せが降り注ぐように。
「…俺はさ、みんなが幸せなら、それでいいんだよ」
自分は諦めてしまったから。
「…それが、いいんだ」
幸せを願えば願うほど、壊れたものを思い出して臆病になる。
自分の幸せを望むことができなくなって。
「てめぇの言う“幸せ”がどんなもんかは知らねぇが、」
蒼は、言う。
「そういうのは、てめぇも幸せじゃなきゃできねぇんじゃねーのか?」
誰かの幸せを望むことは。
「…そ、か、じゃあ…どうしようかな」
諦めてしまった自分には、出来ないこと?
「まぁ、そんときゃ俺がみんな幸せにしてやるよ」
幸せを知らない、蒼は、言う。
「そうすりゃ、てめぇも幸せなんだろ?」
それでこの話は終わりだ、いい加減ゆっくり寝かせろ。
蒼はそう事も無げに言って黙り込んだ。
蒼は知っていたのだろうか?
見抜いていたのだろうか?
だから。
『とりあえず、枕になれ』
許してくれた?
『膝じゃねーよ、腕だ、腕』
抱きしめてくれた?
あぁ、この温もりはこんなにも優しい。
(…やべ、泣きそう…)
そんなことを口にすれば、
きっとこの男は「じゃあ泣きゃあいいじゃねぇか」と至極真面目な表情で言うのだろうが。
引き続き、傾奇者と蒼様の話。
殆ど自分の胸の内を明かさない傾奇者でも、たまには蒼様に本音を見せることもあっていいんではないかと。
秀吉とねねさんのことを、ぼんやりぼかしで。でもやっぱりイマイチ口調が分からない…orz
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。