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カムウィズザレイン。

冷たくてかなわない。
雨が、冷たくて。

明け方からの雨には気付いていた。聞き馴染んだ小十郎の声がいつもより優しかったから。雨が降ると畑仕事はできないが、いつもの喧騒が随分静かになるから機嫌がいいのだろう。
襖を開けると案の定雨はしとしとと穏やかに降り注いでいた。重く下に溜まった冷たい空気が裸足をふわりと撫でて小さく身震いする。晴れていれば遠くまで見渡せる景色も、今日はどこかくすんで見えた。
縁に出て、裸足のまま庭の石畳に降りる。熱を持たない石畳は、少し歩いただけで足から体温を奪っていく。空から降り注ぐ雨を含んで少しだけ着物が重さを増した気がした。

「政宗様、」

後ろから声をかけられて、そのまま後ろに倒れる身体をしっかりと抱き留める強かな腕。

「風邪を召されます、」

「本当にな、」

寄りかかったまま小十郎の襟元を引き寄せる。

「冷たくてかなわねぇ、」

雨が、冷たくて。
目を閉じて顔をすり寄せたら微かに笑う気配がした。

「それなら小十郎を呼べばよろしいのに」

「どうせ仕事に追われてるんだろ?」

拗ねたように言えば、

「政宗様のお陰ではかどりましたよ」

宥めるような言葉が降ってくる。

「政宗様は時折こうして雨を連れてくる」

それはこの小十郎の為でしょう?、などと言うから。

「HA!やっぱお前には敵わねぇ」

と笑う。

「失礼、」

と小さな確認の上、ひょいと身体を抱き上げられる。その首にしっかりと腕を回して。だがすぐに縁に降ろされ抜かりなくかけられる上着。その合わせを手繰りよせると、石畳に跪いた小十郎が冷えきった足に口付ける。

「こんなに冷えて」

と困ったような表情をしながらも愛しむように優しく触れる手。仕草。濡れた髪の毛先の水滴を指で払いながら。不意に視線が絡まって、それから口唇が触れて。抱き寄せられてあやすように背中を撫でられる。それが心地良くて小十郎の肩に頭を預けた。

「…寒い、何とかしろ」

呟けばまた笑う気配がして。

「仰る通りに」

また身体を抱き上げられる。その温もりに安堵しながらゆっくりと目を閉じた。




















蒼主従で甘々。
右目の口調がまだよく解らねぇ。
小十郎は雨だと仕事に集中できる→ご機嫌→政宗に甘い
(※晴れてる通常時より甘さ3割増くらい?甘すぎるかな)

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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
33
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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