monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
竜は雨を連れてくる。
その激しい咆哮に応えるよう暗雲が立ち込める。
「政宗っ、もうやめろっ…」
それ以上戦を続けることは、さながら手負いの竜が傷を深める行為で。両手の六爪はもはや容易く折れてしまう程に脆い。
蒼と紅は出会うべくして出会った唯一無二の存在だと理解している。この決着を二人がどれだけ待ちわびていたのかも知っている。
けれど。
「このままじゃアンタがっ「shout it!」
「…野暮なことすんじゃねぇ、」
低い、唸るような声。
自分の負っている傷に見ないフリをして前だけに突き進む。それは今までの蒼の姿。
蒼の生き様。
でもそれは今はもうできない。
蒼とてそれに気付いていないはずはないのだ。前だけに突き進む為には、一番大事なものが足らない。
背を守る右目が、いない。
「…アンタの右目なら、きっと止める」
「その名を口にするな、」
「止めて、引き摺ってでも連れていく」
アンタの右目は。
その言葉は六爪と二槍がぶつかる音に掻き消された。
「駄目だ…」
激しくぶつかり合いを繰り返しながら離れていく蒼を追って踏みだした足は。
「駄目なのはアンタの台詞だよ」
音もなく降り立った迷彩に阻まれて。
「余計なこと言ってもらっちゃ困る、旦那は竜の旦那と本気の勝負がしたいんだよ」
迷彩はいつになく冷静な声。それに焦燥を覚えて。いつだってこの迷彩は心を揺るがす。
「アンタはどうなんだ、これを続ければ幸村だってただじゃ済まないだろ!」
迷彩は目の前から退こうともせず、冷静なままで。今何を思い考えているのかがまるで解らない。
「俺様はね…あわよくば決着がつけばいいと思ってる」
迷彩は地面に突き立てたクナイをゆっくりとした動作で抜いた。
「どの道決着がつかなきゃこの繋がりは終わらない」
「それが今此処である必要があるのか?」
「仕方ないだろ、蒼と紅は出会っちまったんだから」
今自分が割って入れば止まるだろうか。だが、二人を傷つけずに止めることができるだろうか。
「…もし、決着がついたらどうするんだ」
「旦那が生き残るならさっさと屋敷につれ帰るだけだし、旦那が死んだら俺様も生き恥を晒すつもりはないんでね」
どこまでも仕事の為なら生死をも割り切る男。何とも忍の鏡である迷彩が許せない。
「…違うだろ、そうじゃない、そういうんじゃ」
どうして結果を早まるんだ。
どうして死を怖れないんだ。
どうして戦を繰り返すんだ。
「…1人で止めようってのかい?」
自殺行為だな、と歩きだした背に迷彩が溜め息をつく。自殺行為だって何だって何もしないよりはマシだ。それから。
「1人じゃないさ、アンタがいるだろ」
「それこそ正気の沙汰じゃないな」
振り返ると、呆れた顔をする迷彩。
二人は、死なせない。
蒼の台詞を借りるわけじゃないが、せめて自分の目の手の力の及ぶ世界くらい守ったって罰は当たらないだろ?
「二人を救うと思ってさ、腹に一ヶ所くらい刺されてやろうぜ」
結局風来坊の口車に乗っかる羽目になって苦労する迷彩。
蒼と紅の決着はきっと持ち越し
※悶々とする風来坊と冷静な迷彩が書きたかっただけ
「政宗っ、もうやめろっ…」
それ以上戦を続けることは、さながら手負いの竜が傷を深める行為で。両手の六爪はもはや容易く折れてしまう程に脆い。
蒼と紅は出会うべくして出会った唯一無二の存在だと理解している。この決着を二人がどれだけ待ちわびていたのかも知っている。
けれど。
「このままじゃアンタがっ「shout it!」
「…野暮なことすんじゃねぇ、」
低い、唸るような声。
自分の負っている傷に見ないフリをして前だけに突き進む。それは今までの蒼の姿。
蒼の生き様。
でもそれは今はもうできない。
蒼とてそれに気付いていないはずはないのだ。前だけに突き進む為には、一番大事なものが足らない。
背を守る右目が、いない。
「…アンタの右目なら、きっと止める」
「その名を口にするな、」
「止めて、引き摺ってでも連れていく」
アンタの右目は。
その言葉は六爪と二槍がぶつかる音に掻き消された。
「駄目だ…」
激しくぶつかり合いを繰り返しながら離れていく蒼を追って踏みだした足は。
「駄目なのはアンタの台詞だよ」
音もなく降り立った迷彩に阻まれて。
「余計なこと言ってもらっちゃ困る、旦那は竜の旦那と本気の勝負がしたいんだよ」
迷彩はいつになく冷静な声。それに焦燥を覚えて。いつだってこの迷彩は心を揺るがす。
「アンタはどうなんだ、これを続ければ幸村だってただじゃ済まないだろ!」
迷彩は目の前から退こうともせず、冷静なままで。今何を思い考えているのかがまるで解らない。
「俺様はね…あわよくば決着がつけばいいと思ってる」
迷彩は地面に突き立てたクナイをゆっくりとした動作で抜いた。
「どの道決着がつかなきゃこの繋がりは終わらない」
「それが今此処である必要があるのか?」
「仕方ないだろ、蒼と紅は出会っちまったんだから」
今自分が割って入れば止まるだろうか。だが、二人を傷つけずに止めることができるだろうか。
「…もし、決着がついたらどうするんだ」
「旦那が生き残るならさっさと屋敷につれ帰るだけだし、旦那が死んだら俺様も生き恥を晒すつもりはないんでね」
どこまでも仕事の為なら生死をも割り切る男。何とも忍の鏡である迷彩が許せない。
「…違うだろ、そうじゃない、そういうんじゃ」
どうして結果を早まるんだ。
どうして死を怖れないんだ。
どうして戦を繰り返すんだ。
「…1人で止めようってのかい?」
自殺行為だな、と歩きだした背に迷彩が溜め息をつく。自殺行為だって何だって何もしないよりはマシだ。それから。
「1人じゃないさ、アンタがいるだろ」
「それこそ正気の沙汰じゃないな」
振り返ると、呆れた顔をする迷彩。
二人は、死なせない。
蒼の台詞を借りるわけじゃないが、せめて自分の目の手の力の及ぶ世界くらい守ったって罰は当たらないだろ?
「二人を救うと思ってさ、腹に一ヶ所くらい刺されてやろうぜ」
結局風来坊の口車に乗っかる羽目になって苦労する迷彩。
蒼と紅の決着はきっと持ち越し
※悶々とする風来坊と冷静な迷彩が書きたかっただけ
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。