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俺、専用。



※蒼主従とアニキの話。奥州に遊びに来たアニキは毎度の事ながら蒼主従バカップルぶりの一番の被害者。でも奥州に来るのは楽しくて仕方ない。その理由…続きは折りたたみ↓↓

拍手[1回]


元親がホームを離れて奥州にやってきたのは、奥州筆頭に面会する(という名目で遊ぶ)為だ。
一度手を組んで以来、どうやら子分達もその気質に惚れ込み伊達の兵士とも馬が合うらしい。
奥州行きを決めたのも憎まれ口を叩きながらワクワクしている子分たちの存在が大きい。

「邪魔するぜ」

一度は恐れられたものの、政宗の知り合いというだけで奥州の民は優しい。
元親はそれだけでいかに奥州が良い国かを実感する。

「何だ…瀬戸内の悪童か、」

小十郎は小さく分かるように嘆息して出迎えた。
元親はそれに気分を害した様子もなく、屋敷の縁に腰掛ける。
「アンタにしちゃあ、いい歓迎の言葉だぜ」
そう笑えば小十郎は顔を顰め、今日は仕事にならんな、と呟いた。
「子分はどうした」
「アンタんとこの兵士どもから手厚い歓迎を受けたんで置いてきた」
愉しそうな元親の声に返事でもするように外から声が聞こえた。
「…どうやらテメェの子分たちとは馬が合うみてぇだな」
そう言う小十郎の表情は幾分柔らかいものになっていた。
察するに伊達の兵士も落ち着かなかったのだろう。
本当に似た者同士だ。

「ところで、テメェのその格好はなんとかならねぇのか?」

後ろに手を突いて小十郎を見上げれば呆れたような視線が降ってきた。
「あん?」
「仮にも総大将なんだろ、礼儀については目をつぶってやるが」
こういうところに小十郎の生真面目な性格はよく出る。
「海賊相手に服装指導とはアンタ面白いな」
笑えば少し気分を害したように睨まれた。
元々目付きの悪い小十郎だが、元親がそれを恐れることはない。
「でもまぁ、アンタの小言は嫌いじゃねぇ」
改める気は更々ねぇが、と付け加えれば。
「それじゃあ言い損だ」と愚痴を零された。

「アンタは認めてる人間にしか小言は言わねぇよなぁ、ちゃんと使う相手を見極めてんだ」

元親の言葉に小十郎は目を見張り、軽く頬を掻いた。
「そんな大層なもんじゃねぇさ、ただテメェは気質がよく似てやがるからな、」
それが誰を指しているのか元親にはよく分かっている。
頭の空気は兵士にも映る。
互いの子分と兵士の馬が合うくらいだ、それくらいには元親と政宗の気質はよく似ているのだ。

「おいおい、随分楽しそうじゃねぇか」

二人で笑っているところに、政宗がやってくる。
「政宗様、」
「元親が来てんなら、呼べよ小十郎」
「申し訳ありません」
どこか拗ねたように言う主に、小十郎は小さく頭を下げた。
「まぁまぁ、いいじゃねぇか、俺も有り難い小言を頂戴してたわけだし」
「小言?小十郎の、か?」
政宗はその言葉に眉間に皺を寄せる。
小十郎は政宗に呆れられるのかと思い、元親を一瞥した。
だが、更に機嫌を悪くさせた政宗の口から出たのは思わぬ一言。


「言っとくが、小十郎の小言は、俺専用なんだよ」


元親に対して視線を鋭くさせながら政宗はそう言った。
「小十郎、お前も誰彼構わず小言言うんじゃねぇ」
「…はっ、」
急に言葉の矛先を向けられ戸惑いながらも小十郎は頷いた。
「ってなわけだ、次に小言はないと思えよ、元親」
真面目に言う政宗に、

「…っぷ、あっははははは!!」

元親は盛大に笑った。
「こりゃあいい!いいぜ、お前」
何が起こっているのか理解できていない政宗は元親の挙動に訝しげな表情をする。
「…政宗様、長曽我部に反物を見てもらってはいかでしょう」
慌てて意識を逸らしたのは小十郎だ。
「…あー…そうだな、元親、ちょっと来い」
元親を手招きして、政宗は自分の座敷に歩き出す。
「色んな反物があって、よくわかんねぇんだ」
意見を聞かせろ、と笑う政宗に未だ引かない笑いをこらえながら元親は頷いた。
先行く政宗を追いかけ小十郎とすれ違い様に、
「アンタ、本当に愛されてんだな」
そう笑って元親は肩を叩く。
小十郎はどうしたものか動揺した様子で元親の手を払う。
「政宗様を待たせるんじゃねぇ、さっさと行け」
「おうよ、」
小十郎の声に応えて、元親は消えた政宗の姿を追った。






※この後反物を選びながら、「右目に選んでもらえばいいじゃねぇか」「あいつに聞いても参考にならねぇ、それに、」「?」「あいつは脱がすのが好きなんだ」とか右目が聞いたら卒倒しそうなカミングアウトを受け、また元親が大爆笑したとかしないとか。

これだから、奥州に来るのは楽しくて仕方ない。
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無題

専用ーーっ(爆)!
アニキの登場にテンション上がってたら・・・・っ!
アニキが絡むと蒼主従はものすごいナチュラルに惚気るんですね。もっとやればいいとおもう。
最近蒼主従のいちゃつき度が素晴らしくて萌死にそうになってますっ!!
  • 永月
  • 2009/07/28(Tue)14:58:23
  • 編集

無題

>永月さん

いやいや、蒼主従がいちゃこらしてるのは間違いなく永月さんの影響力ですから(笑)
アニキはもうきっと惚気られ慣れてるんだと思います。
  • 水城
  • 2009/07/28(Tue)16:20:05
  • 編集

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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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