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蒼主従考察…する紅の話。

刀を交え互いに消耗したところで、
お開きになったのを確かめるように佐助と、右目はやってくる。

「旦那?」

振り返って右目に寄り添う蒼の姿を見ると、いつも思う。
「佐助には、あの二人はどう見える?」
竜と呼ばれるように鋭い目で
何にも負けないような不敵な表情をしているあの男が。
右目の隣に立つと途端に柔い表情をする。
「どうって…単純に主従って話じゃなく?」
その瞬間、妙な違和感を覚える。
「…いや、政宗殿が」
そこにいるのは奥州筆頭で。
それでも今、こうして自分の目に映るのは齢相応の、男。
「…あぁ、そゆこと」
隣で納得したように笑う気配がした。

「それだけ気ィ抜いてるってことでしょ」

奥州筆頭としてではなく、
天下に覇を唱える人間としてでもなく。
「独眼竜にとって、やっぱ右目の旦那は特別だろうからさ」
そう言って笑う佐助を見上げて。
「…何、旦那」
「…いや、」
そう思えば、考えずにはいられない。

(自分は…佐助の前で、どんな表情をしているのだろうか…)

ぼんやり考えながら歩き出したら、早速足をとられた。
「ぅお!」
「ちょっと旦那、ちゃんと足下見て歩きなよ」
腕をしっかりと引かれて、転ぶことは免れる。
こんな時傍にいる佐助は。
「それとも今日はそんなにたぎっちゃったワケ?」
いつも困ったような呆れたような表情をしていて。
「…俺、だって、」
少なからず、表情を緩めながら話す二人が羨ましいと思う。


「政宗殿には負けぬ!!」


「…はい?」
拳を突き上げて叫ぶ横で佐助が首を傾げた。
何となくすっきりした。
「旦那、今日何かおかしくない?」
腑に落ちない表情をする佐助に振り返り、その手を引く。

「さ、帰るぞ佐助」

すると、大きく佐助は嘆息してすぐに、しょうがないなぁ、と苦笑した。緩く眉尻が下がって。

(…あぁ、何だ…)



同じじゃないか。







※時間切れで短い話。紅は真剣勝負で接触してる分、蒼が気を抜いた瞬間を一番間近で見ているんじゃないかと。
それが恋愛か、親愛か、忠愛か見抜く術を紅はまだ知らない。

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プロフィール

HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇

好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。

備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。

気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。

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