monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
守りたかったのは、
自分の、心。
※静かに優しく~の続き。今回は忍が歪んでる(最近は標準装備)&BL的?な匂いがちょっとし、ます(※当社比)ので注意。続きはオリタタミ…↓↓
※静かに優しく~の続き。今回は忍が歪んでる(最近は標準装備)&BL的?な匂いがちょっとし、ます(※当社比)ので注意。続きはオリタタミ…↓↓
それは、自分の中の絶対に折れない、曲げたくない想い。
プライドや意地なんてちっぽけなもので、
それよりももっとずっと尊くて、大切な。
(…俺、の)
右目を思うこと。
聡い忍は何を考えているのか想像でもつくらしく、
まるで呪う様に「右目は死んだよ」と繰り返し囁く。
決まって悪態を飲み込むように口付ける忍に噛み付いた。
けれどそれすらも愉しいと言わんばかりに血の滲んだ箇所を指で拭う。
負った傷口は労わられ、また抉られ熱を孕んでいく。
その熱は思考を揺らし、
また忍の施す浅はかな行為が痛みを伴って脳髄から揺さぶりをかける。
それで、何度意識が途切れたか知れない。
「…ァ…は…」
口唇を噛み締めて殺していた声も今は抑える力はなく。
忍の血にまみれた指先が傷口を撫でる度、
肌を辿る度に抱く嫌悪感と、新たに生まれる熱。
それでも呑まれるわけにはいかないと抵抗して。
離れた忍を見上げながら、ふと忍がずっと此処に居るのだと思い至る。
紅は、気付いているのだろうか?
力なく放り出された身体を見下ろしながら、
「旦那は知ってるよ、俺様が言ったから」
と忍は仄かに笑う。
一度手負いで武田の屋敷に匿われたことがある。
その時に交わした言葉が脳裏を過ぎって。
『旦那はね、多分俺を離せない』
アンタが右目を離す気がないのと同じくらいに、と珍しく真摯な声で。
『テメェもアイツを離す気はねぇんだろ?』
投げた言葉は曖昧な笑みにはぐらかされたが。
(…その思いを、知っていながら…)
「…テ、メェ…は、」
突き放したのか。
切り捨てたのか。
「悪いけど、俺様は目をつぶれない」
自分の想いを向けた相手が、他の誰かを見ているという現実。
「耐えられない」
馬乗りになった忍は、ゆっくりと冷たい指を首に伸ばして。
「俺はね、いつのもアンタのこと考えてる、想ってる、触れたいって…独占したいって」
そして少し哀しんだように眉を顰めて。
「何でアンタなんだろ…何で、右目なんだ…?」
それは答えを求めない独白。
「…さ、」
「なんて、野暮だよな」
その手が不自然なほど優しく頬に触れて。
甘すぎるほど、甘い口付け。
離れると、濡れた口唇をその親指が拭う。
「――…旦那が、大坂に向かった、夜明け前の話だ」
その言葉にはっとして目を見開く。
「それまでに、殺しちゃったらゴメンね」
そういって再び落とされた口付けは息すらも奪うような、貪欲なそれで。
守ろうとしたのは、自分の心。
曲げたくない、侵されたくない想い。
(あの腕に、温もりに触れて…死にたい)
そしてもう何度目か分からない行為に、攫われるように意識を落とした。
※続き…ます。
プライドや意地なんてちっぽけなもので、
それよりももっとずっと尊くて、大切な。
(…俺、の)
右目を思うこと。
聡い忍は何を考えているのか想像でもつくらしく、
まるで呪う様に「右目は死んだよ」と繰り返し囁く。
決まって悪態を飲み込むように口付ける忍に噛み付いた。
けれどそれすらも愉しいと言わんばかりに血の滲んだ箇所を指で拭う。
負った傷口は労わられ、また抉られ熱を孕んでいく。
その熱は思考を揺らし、
また忍の施す浅はかな行為が痛みを伴って脳髄から揺さぶりをかける。
それで、何度意識が途切れたか知れない。
「…ァ…は…」
口唇を噛み締めて殺していた声も今は抑える力はなく。
忍の血にまみれた指先が傷口を撫でる度、
肌を辿る度に抱く嫌悪感と、新たに生まれる熱。
それでも呑まれるわけにはいかないと抵抗して。
離れた忍を見上げながら、ふと忍がずっと此処に居るのだと思い至る。
紅は、気付いているのだろうか?
力なく放り出された身体を見下ろしながら、
「旦那は知ってるよ、俺様が言ったから」
と忍は仄かに笑う。
一度手負いで武田の屋敷に匿われたことがある。
その時に交わした言葉が脳裏を過ぎって。
『旦那はね、多分俺を離せない』
アンタが右目を離す気がないのと同じくらいに、と珍しく真摯な声で。
『テメェもアイツを離す気はねぇんだろ?』
投げた言葉は曖昧な笑みにはぐらかされたが。
(…その思いを、知っていながら…)
「…テ、メェ…は、」
突き放したのか。
切り捨てたのか。
「悪いけど、俺様は目をつぶれない」
自分の想いを向けた相手が、他の誰かを見ているという現実。
「耐えられない」
馬乗りになった忍は、ゆっくりと冷たい指を首に伸ばして。
「俺はね、いつのもアンタのこと考えてる、想ってる、触れたいって…独占したいって」
そして少し哀しんだように眉を顰めて。
「何でアンタなんだろ…何で、右目なんだ…?」
それは答えを求めない独白。
「…さ、」
「なんて、野暮だよな」
その手が不自然なほど優しく頬に触れて。
甘すぎるほど、甘い口付け。
離れると、濡れた口唇をその親指が拭う。
「――…旦那が、大坂に向かった、夜明け前の話だ」
その言葉にはっとして目を見開く。
「それまでに、殺しちゃったらゴメンね」
そういって再び落とされた口付けは息すらも奪うような、貪欲なそれで。
守ろうとしたのは、自分の心。
曲げたくない、侵されたくない想い。
(あの腕に、温もりに触れて…死にたい)
そしてもう何度目か分からない行為に、攫われるように意識を落とした。
※続き…ます。
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。