monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
揺らぐ音。
揺らぐ思い。
気掛かりなこと。
決めたこと。
たくさんの思いや為すべきことがありすぎて、
頭が時折パニックを起こす。
だからこそ、紅の思いを何となく理解してしまった。
決意は変わらないからここに居るのだと思う。
けれど同時にふせっている甲斐の虎が気掛かりなのも事実。
あの忍びが付いているのだ心配はないと理解っていても、
目の前で失いかけたその不安が完全な安堵を与えてはくれない。
これは自分が腹に鉄砲玉を食らったあの時に似ている。
紅にとって甲斐の虎の存在が大きいように、
自分にとってもあの右目は大きすぎる。
馬を休ませるため逸る気持ちを抑えながらも休憩する。
一定の距離を置いて座る紅は無意識に片手で腕を抑えていた。
まだ震えは治まっていないのだろうか。
距離を詰め目の前にしゃがみこむ。
すると不思議そうな紅の視線。
それを見ずに押さえている片腕を軽く撫でた。
紅が少し驚いたような気配がした。
「―――怖いか、」
静かに問えば、
「そんなことは…」
と言いかけて紅の声は途切れた。
冷たく熱を失った指先。
それをゆっくりと握って。
右目は殊更自分のその類の感情には敏感で、
そんな時は何も言わずこうしてくれた。
心配する言葉よりもどれだけ嬉しかったか。
「―――政宗殿、は…」
そのつないだ手を嫌がるでもなく、ぽつりと紅は呟く。
「政宗殿は…怖い、と思ったことはござらぬか?」
片時も離れず傍にいる右目。
戦場に出れば共に傷を負う。
(ましてや、あいつは俺を守ろうとする)
自らの命を投げ出しても。
「その…片倉殿とて、無傷とはいきますまい」
握った手に視線を落としたまま応える。
「…恐れがないことはねぇ」
まだ何も成し遂げていないのに、死ぬわけにはいかないのに。
(遠退く意識の中で初めて、死ぬことが怖いと思った)
覚悟をしているつもりでも、
どこかで失うはずがないと思っている自分がいる。
だからこそそれが損なわれた時に動揺して。
「恐れってのは正しい、ちゃんと本能が機能してる証拠だ」
手を離して立ち上がる。
冷えた指先は体温を取り戻していた。
「人として問題ねぇ」
それよりも失うことを厭わず恐れず、
跡形もなくすべてを蹂躙する方が人として余程狂っている。
「だから狂ってる奴らを止めようって来たんじゃねぇか」
これ以上悲しみを増やすことの無いように。
「こんな思いは、俺たちだけで十分だろ」
「―――そうでござるな、」
「休憩は終わりだ、行くぞ、真田幸村」
「必ずや魔王の首この手で討ち、お館様にご報告申し上げる!!」
急に勢いを取り戻した紅に笑いながら、先を急ぐ。
信じて待つあの右目の元に必ず戻ると心の中で誓いながら。
※先週のアニバサ後妄想らしき。蒼紅共闘が楽しみ。蒼のが紅よりお兄さん(笑)
気掛かりなこと。
決めたこと。
たくさんの思いや為すべきことがありすぎて、
頭が時折パニックを起こす。
だからこそ、紅の思いを何となく理解してしまった。
決意は変わらないからここに居るのだと思う。
けれど同時にふせっている甲斐の虎が気掛かりなのも事実。
あの忍びが付いているのだ心配はないと理解っていても、
目の前で失いかけたその不安が完全な安堵を与えてはくれない。
これは自分が腹に鉄砲玉を食らったあの時に似ている。
紅にとって甲斐の虎の存在が大きいように、
自分にとってもあの右目は大きすぎる。
馬を休ませるため逸る気持ちを抑えながらも休憩する。
一定の距離を置いて座る紅は無意識に片手で腕を抑えていた。
まだ震えは治まっていないのだろうか。
距離を詰め目の前にしゃがみこむ。
すると不思議そうな紅の視線。
それを見ずに押さえている片腕を軽く撫でた。
紅が少し驚いたような気配がした。
「―――怖いか、」
静かに問えば、
「そんなことは…」
と言いかけて紅の声は途切れた。
冷たく熱を失った指先。
それをゆっくりと握って。
右目は殊更自分のその類の感情には敏感で、
そんな時は何も言わずこうしてくれた。
心配する言葉よりもどれだけ嬉しかったか。
「―――政宗殿、は…」
そのつないだ手を嫌がるでもなく、ぽつりと紅は呟く。
「政宗殿は…怖い、と思ったことはござらぬか?」
片時も離れず傍にいる右目。
戦場に出れば共に傷を負う。
(ましてや、あいつは俺を守ろうとする)
自らの命を投げ出しても。
「その…片倉殿とて、無傷とはいきますまい」
握った手に視線を落としたまま応える。
「…恐れがないことはねぇ」
まだ何も成し遂げていないのに、死ぬわけにはいかないのに。
(遠退く意識の中で初めて、死ぬことが怖いと思った)
覚悟をしているつもりでも、
どこかで失うはずがないと思っている自分がいる。
だからこそそれが損なわれた時に動揺して。
「恐れってのは正しい、ちゃんと本能が機能してる証拠だ」
手を離して立ち上がる。
冷えた指先は体温を取り戻していた。
「人として問題ねぇ」
それよりも失うことを厭わず恐れず、
跡形もなくすべてを蹂躙する方が人として余程狂っている。
「だから狂ってる奴らを止めようって来たんじゃねぇか」
これ以上悲しみを増やすことの無いように。
「こんな思いは、俺たちだけで十分だろ」
「―――そうでござるな、」
「休憩は終わりだ、行くぞ、真田幸村」
「必ずや魔王の首この手で討ち、お館様にご報告申し上げる!!」
急に勢いを取り戻した紅に笑いながら、先を急ぐ。
信じて待つあの右目の元に必ず戻ると心の中で誓いながら。
※先週のアニバサ後妄想らしき。蒼紅共闘が楽しみ。蒼のが紅よりお兄さん(笑)
PR
この記事にコメントする
この記事へのトラックバック
- この記事にトラックバックする
カレンダー
カテゴリー
最新記事
(02/10)
(05/06)
(03/21)
(02/23)
(01/13)
プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。