monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
春はいい、
桜が綺麗に咲き乱れて、
人の心もどこか踊るように楽しげで。
それは、自分のところじゃ滅多にお目にかかれない光景。
(というか…旦那が居る限り、これは無いよな…)
文字通り、花より団子(より戦…か)な主人だ。
「悪ィ、すぐに戻る」
「Ha!酒がなくなってても文句は言うなよ」
隣の風来坊が席を立ち、
蒼がその背中にからかうように言葉を投げる。
何が理由で席を立つのか聞き逃した(逃したというよりは流したの方が正しいか)が、
ま、それは大した問題でもないか。
「竜の旦那、はいよ」
空いた杯にお酌すれば、酒の力も相まってえらく上機嫌な蒼。
「なぁ、あの忍とはどういう関係だ?」
…は?
「…あの忍…って、もしかして、かすがのこと言ってんの?」
酒を煽った蒼は、肯定するように笑う。
「慶次が言ってたぜ?」
酒に強いと豪語していた蒼は、
ついさっきまで繰り広げていた飲み比べが響いてきている様子。
これをあの堅物の右目がみたら何と言うだろうか。
面白いからいいけど。
「あいつとは同郷の…ま、腐れ縁みたいなもんか」
色恋沙汰にでもなれば、もっと人生華やかだったろうか?
いや。
(…あの紅に出会った時点で、多分、決まってた…)
「それより、竜の旦那はどうなの?小さなお姫様に懐かれちゃってさ、」
最北端。
お下げの良く似合う元気な少女を、この男は殊の外大事にしている。
「An?ありゃそういうんじゃねぇよ」
笑いながら杯に口付けたと思えば急に真剣な表情になって。
「…あいつとは、約束したから、な」
争いのない世を、
安心してやりたいことができる世を、
創ってやるから、と。
「尤も、それも俺一人じゃできねぇからな」
「でたよ、竜の旦那の右目自慢」
苦笑しながら、杯に酒を注ぐ。
「てめぇこそ、いつもの幸村自慢はねぇのかよ」
珍しく切り返された。
「自慢して良いなら、夜通しするけど?」
夜伽ぎ代わりに、なんて冗談を言えば。
「臨むとこ、ろ…だ」
「旦那!?」
杯の酒はしっかりと飲み干して、よろめきながら胸ぐらを捕まれた。
(竜の旦那は…絡む質だったか…)
少し面倒だなと、顔を顰めたところで風来坊の帰座敷。
「おかえり、早かったな」
「なっ…」
風来坊は困ったように頭を掻いた。
「旦那、風来坊が戻ってきたぜ?」
肩に乗せられた腕を解きながら言うと、すっかり据わった目。
「…あれからどれだけ飲んだんだ?」
「てめぇが遅いのが悪ィんだろうが」
立ち尽くす風来坊にゆっくりと蒼は移動を始めて、
よろけた身体を咄嗟に風来坊が支えてやる。
そんなに飲ませたつもりはなかったんだけどなぁ、と軽く頬を掻く。
風来坊に睨まれた。
「え、俺!?」
「政宗、そろそろお開きにしようぜ?な、いい子だからさ」
「sit!まだ酒もあんだろうが」
「けどさぁ、」
宥める風来坊を見て笑う。
「迫るのはそのくらいにしておきなって、竜の旦那、すごく、目の毒」
「佐助っ!」
適度にはだけてきてるとか、
顔赤くなってるとか(笑)
「…って、政宗!?」
プツリと糸が切れるように眠りに落ちた蒼を、しっかりと抱きなおす風来坊。
その表情はすっかり呆れていて。
「政宗にあんまり酒は飲ませねぇ方が良さそうだな」
右目の苦労を垣間見た気がした。
「佐助、アンタも面白がって飲ませるなよ、」
人に飲ませるの巧いんだからさ、
と釘を刺された。
それに応えるように軽く手を挙げたら、
また風来坊は嘆息して座敷を出ていった。
遠ざかる足音。
開け放たれた座敷の外から聞こえる花街の喧騒。
ちびちびと酒に口付けながら、
心地よい風に目を細めて。
「春はいいモンだねぇ…須く恋せよってね」
あの風来坊の言葉を借りるとすれば。
「…あー…うちの旦那が恋しくなってきた…」
そろそろお暇しようか。
杯を置いて縁に出ると、風来坊が見送ってくれる。
「次は、幸村も連れてこいよ」
団子でも用意しておくさ。
笑う風来坊に丁重なお断わりを。
「うちの旦那の酔った姿見せたくないから遠慮しておくよ」
「…アンタ本当に自分の欲には忠実だよな…」
あからさまな独占欲。
当人が気付かないから大変なんだけど。
「須く恋せよ、ってね、まぁアンタも頑張れよ」
右目が一番恐ぇから。
風来坊は何も言わず、ただ苦笑しただけだった。
屋根を渡り、真田の根城の方角に目を遣る。
「……さて、と、ご機嫌とりに団子でも買って帰るとしますかね」
食いしん坊な、主人の許へ。
友人のマイ設定に萌えたぎった。
風来坊>蒼>忍
風来坊→笑い上戸、蒼→絡み酒、忍→酔わせ上手
イマイチ生かせてない自分に絶望した…orz
実はこの後、風来坊が縁側で一人酒、その杯に桜の花びらが落ちた、というシーンがある。
人の心もどこか踊るように楽しげで。
それは、自分のところじゃ滅多にお目にかかれない光景。
(というか…旦那が居る限り、これは無いよな…)
文字通り、花より団子(より戦…か)な主人だ。
「悪ィ、すぐに戻る」
「Ha!酒がなくなってても文句は言うなよ」
隣の風来坊が席を立ち、
蒼がその背中にからかうように言葉を投げる。
何が理由で席を立つのか聞き逃した(逃したというよりは流したの方が正しいか)が、
ま、それは大した問題でもないか。
「竜の旦那、はいよ」
空いた杯にお酌すれば、酒の力も相まってえらく上機嫌な蒼。
「なぁ、あの忍とはどういう関係だ?」
…は?
「…あの忍…って、もしかして、かすがのこと言ってんの?」
酒を煽った蒼は、肯定するように笑う。
「慶次が言ってたぜ?」
酒に強いと豪語していた蒼は、
ついさっきまで繰り広げていた飲み比べが響いてきている様子。
これをあの堅物の右目がみたら何と言うだろうか。
面白いからいいけど。
「あいつとは同郷の…ま、腐れ縁みたいなもんか」
色恋沙汰にでもなれば、もっと人生華やかだったろうか?
いや。
(…あの紅に出会った時点で、多分、決まってた…)
「それより、竜の旦那はどうなの?小さなお姫様に懐かれちゃってさ、」
最北端。
お下げの良く似合う元気な少女を、この男は殊の外大事にしている。
「An?ありゃそういうんじゃねぇよ」
笑いながら杯に口付けたと思えば急に真剣な表情になって。
「…あいつとは、約束したから、な」
争いのない世を、
安心してやりたいことができる世を、
創ってやるから、と。
「尤も、それも俺一人じゃできねぇからな」
「でたよ、竜の旦那の右目自慢」
苦笑しながら、杯に酒を注ぐ。
「てめぇこそ、いつもの幸村自慢はねぇのかよ」
珍しく切り返された。
「自慢して良いなら、夜通しするけど?」
夜伽ぎ代わりに、なんて冗談を言えば。
「臨むとこ、ろ…だ」
「旦那!?」
杯の酒はしっかりと飲み干して、よろめきながら胸ぐらを捕まれた。
(竜の旦那は…絡む質だったか…)
少し面倒だなと、顔を顰めたところで風来坊の帰座敷。
「おかえり、早かったな」
「なっ…」
風来坊は困ったように頭を掻いた。
「旦那、風来坊が戻ってきたぜ?」
肩に乗せられた腕を解きながら言うと、すっかり据わった目。
「…あれからどれだけ飲んだんだ?」
「てめぇが遅いのが悪ィんだろうが」
立ち尽くす風来坊にゆっくりと蒼は移動を始めて、
よろけた身体を咄嗟に風来坊が支えてやる。
そんなに飲ませたつもりはなかったんだけどなぁ、と軽く頬を掻く。
風来坊に睨まれた。
「え、俺!?」
「政宗、そろそろお開きにしようぜ?な、いい子だからさ」
「sit!まだ酒もあんだろうが」
「けどさぁ、」
宥める風来坊を見て笑う。
「迫るのはそのくらいにしておきなって、竜の旦那、すごく、目の毒」
「佐助っ!」
適度にはだけてきてるとか、
顔赤くなってるとか(笑)
「…って、政宗!?」
プツリと糸が切れるように眠りに落ちた蒼を、しっかりと抱きなおす風来坊。
その表情はすっかり呆れていて。
「政宗にあんまり酒は飲ませねぇ方が良さそうだな」
右目の苦労を垣間見た気がした。
「佐助、アンタも面白がって飲ませるなよ、」
人に飲ませるの巧いんだからさ、
と釘を刺された。
それに応えるように軽く手を挙げたら、
また風来坊は嘆息して座敷を出ていった。
遠ざかる足音。
開け放たれた座敷の外から聞こえる花街の喧騒。
ちびちびと酒に口付けながら、
心地よい風に目を細めて。
「春はいいモンだねぇ…須く恋せよってね」
あの風来坊の言葉を借りるとすれば。
「…あー…うちの旦那が恋しくなってきた…」
そろそろお暇しようか。
杯を置いて縁に出ると、風来坊が見送ってくれる。
「次は、幸村も連れてこいよ」
団子でも用意しておくさ。
笑う風来坊に丁重なお断わりを。
「うちの旦那の酔った姿見せたくないから遠慮しておくよ」
「…アンタ本当に自分の欲には忠実だよな…」
あからさまな独占欲。
当人が気付かないから大変なんだけど。
「須く恋せよ、ってね、まぁアンタも頑張れよ」
右目が一番恐ぇから。
風来坊は何も言わず、ただ苦笑しただけだった。
屋根を渡り、真田の根城の方角に目を遣る。
「……さて、と、ご機嫌とりに団子でも買って帰るとしますかね」
食いしん坊な、主人の許へ。
友人のマイ設定に萌えたぎった。
風来坊>蒼>忍
風来坊→笑い上戸、蒼→絡み酒、忍→酔わせ上手
イマイチ生かせてない自分に絶望した…orz
実はこの後、風来坊が縁側で一人酒、その杯に桜の花びらが落ちた、というシーンがある。
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。