monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
言いたい痛み、言えない痛み。
気付いたことがあった。
だから言わなければならないことが出来て。
その足で座敷を出る。傷は変わらず痛むが、隠しながら動いていた時より遥かに楽だ。
自分勝手に心が痛んでも。
本当は此処へ来ることを自分に禁じるつもりだった。
せめてこの傷に、主が胸を痛めなくなるまでは。
(手を差し伸べることは容易い、けれどそれが戦場で命の危険に晒す甘さへと姿を変えたら…)
きっと自分は自分を一生許さない。
それを怖れて、引いた手を離して。
(どんな言葉でも受けよう、)
責められるべき非を自分は持っているのだから。
「―――小十郎、何でここに居る」
座敷の襖の前で立ち尽くしていると、素っ気ない声がした。
「養生してろって言ったはずだ」
「…雑務は他へ任せております、ただひとつ、」
言うべきことがあった。
言わなければならないことが。
「…何だ、」
ややあって言葉を許される。
深く息を吸い込んで吐き出す息に言葉を乗せる。
「…政宗様に申し上げたことを取り消すつもりはありません、後悔してもおりません」
それは変わることのない事実だ。
「ただ、小十郎にも、政宗様に申し上げていないことを抱えております」
分かっているだろうことを真面目に言う自分を主は笑うだろうか、それとも呆れるだろうか。
「ですから、「小十郎、入ってこい…足が冷えて、うまく動かねぇんだ」
言葉を遮る声は苦笑を滲ませた声音で。
「…失礼致します、」
襖を開けると冷たい床に一人座ったままの主が居て。
その傍に寄れば、
「…何だ、その面は」
俺に言ったこと、取り消すつもりも後悔してもいないんだろう?と笑われた。
「これは、俺の…俺だけの痛みだ、それをお前が負う必要はないし、負って欲しくねぇ」
傍に居ても、すべて共有することがいいわけではない。
それは時に互いの行動を阻んで、身動きがとれなくなる。
「…それと、お前の言うことは一々正しい」
腹はたつけどな、と素直に言われた。
「大将ってのは大局を見極められなきゃいけねぇ」
でなければ、自分を含む兵たちはあっという間に全滅するだろう。
「けどな、大局が見極められたって一人を思えない大将になりたくねぇんだ」
(その、思いは)
ずっと昔から知っていたではないか。
主が何を思い戦っているのかは。
「―――はい、存じ上げております」
「お前はこれからも俺に同じことを言い続けるだろうし、俺はそれに腹を立てるのは変わらねぇ」
同じことを言わせない努力をしてください、という言葉が喉まで出かかったが飲み込んだ。
「だが俺は、俺の思うことを曲げるつもりはねぇ」
立つから手を貸してくれ、と伸ばされた手。
支えた身体は酷く冷えていた。
「ま、とりあえず…」
主の身体を暖めること。
そう思った時飛び込んできた一言は。
「余計なこと喋りやがった成実をしめとかねぇとな」
あまりにも予想外な一言に、込み上げてきた笑いを止めることが出来なかった。
「…ご存知、だったんですか」
それを。
「そうか、やっぱり成実の仕業か」
苦い顔で舌打ちする主に、謀られたのだと気付いたが既に遅い。
その後、屋敷内に成実の声が響いたのに目をつぶった。
※一応解決。根本的な解決はしていないけど、何度も同じことを繰り返すけど、それでも曲げずに生きていくだけ。
だから言わなければならないことが出来て。
その足で座敷を出る。傷は変わらず痛むが、隠しながら動いていた時より遥かに楽だ。
自分勝手に心が痛んでも。
本当は此処へ来ることを自分に禁じるつもりだった。
せめてこの傷に、主が胸を痛めなくなるまでは。
(手を差し伸べることは容易い、けれどそれが戦場で命の危険に晒す甘さへと姿を変えたら…)
きっと自分は自分を一生許さない。
それを怖れて、引いた手を離して。
(どんな言葉でも受けよう、)
責められるべき非を自分は持っているのだから。
「―――小十郎、何でここに居る」
座敷の襖の前で立ち尽くしていると、素っ気ない声がした。
「養生してろって言ったはずだ」
「…雑務は他へ任せております、ただひとつ、」
言うべきことがあった。
言わなければならないことが。
「…何だ、」
ややあって言葉を許される。
深く息を吸い込んで吐き出す息に言葉を乗せる。
「…政宗様に申し上げたことを取り消すつもりはありません、後悔してもおりません」
それは変わることのない事実だ。
「ただ、小十郎にも、政宗様に申し上げていないことを抱えております」
分かっているだろうことを真面目に言う自分を主は笑うだろうか、それとも呆れるだろうか。
「ですから、「小十郎、入ってこい…足が冷えて、うまく動かねぇんだ」
言葉を遮る声は苦笑を滲ませた声音で。
「…失礼致します、」
襖を開けると冷たい床に一人座ったままの主が居て。
その傍に寄れば、
「…何だ、その面は」
俺に言ったこと、取り消すつもりも後悔してもいないんだろう?と笑われた。
「これは、俺の…俺だけの痛みだ、それをお前が負う必要はないし、負って欲しくねぇ」
傍に居ても、すべて共有することがいいわけではない。
それは時に互いの行動を阻んで、身動きがとれなくなる。
「…それと、お前の言うことは一々正しい」
腹はたつけどな、と素直に言われた。
「大将ってのは大局を見極められなきゃいけねぇ」
でなければ、自分を含む兵たちはあっという間に全滅するだろう。
「けどな、大局が見極められたって一人を思えない大将になりたくねぇんだ」
(その、思いは)
ずっと昔から知っていたではないか。
主が何を思い戦っているのかは。
「―――はい、存じ上げております」
「お前はこれからも俺に同じことを言い続けるだろうし、俺はそれに腹を立てるのは変わらねぇ」
同じことを言わせない努力をしてください、という言葉が喉まで出かかったが飲み込んだ。
「だが俺は、俺の思うことを曲げるつもりはねぇ」
立つから手を貸してくれ、と伸ばされた手。
支えた身体は酷く冷えていた。
「ま、とりあえず…」
主の身体を暖めること。
そう思った時飛び込んできた一言は。
「余計なこと喋りやがった成実をしめとかねぇとな」
あまりにも予想外な一言に、込み上げてきた笑いを止めることが出来なかった。
「…ご存知、だったんですか」
それを。
「そうか、やっぱり成実の仕業か」
苦い顔で舌打ちする主に、謀られたのだと気付いたが既に遅い。
その後、屋敷内に成実の声が響いたのに目をつぶった。
※一応解決。根本的な解決はしていないけど、何度も同じことを繰り返すけど、それでも曲げずに生きていくだけ。
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。