monocube
monoには秘めたイロがある。
見えないだけでそこに在る。
数え切れないそれは、やがて絡まり色彩(イロ)になる。
さぁ、箱をあけてごらん。
箱庭(ナカ)は昏(クラ)く底なしの闇色(モノクロ)。
深い闇に融けたらいいのに。
日々の戯言寄せ集め。
当サイトは作者の気まぐれにより、自由気ままに書きなぐった不親切極まりない戯言の箱庭です。
髪を梳いた指は、
細くて長い少しささくれのある指。
好きな、もの。
※現代版忍と竜の話。a/i/k/o聴きながら書いてたら甘くなった(爆)続きは折りたたみ↓↓
好きな、もの。
※現代版忍と竜の話。a/i/k/o聴きながら書いてたら甘くなった(爆)続きは折りたたみ↓↓
佐助はよく木の上で昼寝をしている。
木々に溶け込む気配が、
不思議とすぐにその姿を隠してしまうのだが。
多分それはくうきのようなもので、
意識していないのにすぐ傍にいる。
一度そんなようなことを言ったら、
「くうきはヤダ、居ても居なくても変わらないみたいじゃん?」
と不服そうな表情で言い返された。
だが、捕まえられなくて掴ませてくれなくて、
くうき、というのは実に的を射た言葉だと思った。
「…おい、居るんだろ」
ふらりと教室を抜け出して(授業は軒並みつまらないときている)
足を向けたのは中庭。
教室から見下ろすにしても木が邪魔をして視界が悪く、
実に逢瀬には向いていた。
(これを…そう、呼ぶんならな)
すると降りた音もなく気配がして。
振り返る先に佐助がいた。
「いつも思うんだけど、俺様が居なかったらどうすんの?」
恥ずかしくない?と笑いながら忍は距離を詰めてくる。
それが限りなく0に近くなるまで沈黙する。
「…てめぇが居るから呼ぶんだろうが」
少し高い忍を見上げて言えば黒髪に軽く口付けが落ちて。
「ストレートな告白だねぇ、」
アンタらしくもない、
なんて言うから足を蹴ったがひらりと躱された。
「自惚れんな」
何が告白だ、と悪態をつけば佐助はただ笑っただけだった。
芝生に腰を下ろして手で扇ぐ。
今日はここ連日に比べて気温も落ち着いているし、
からっとした暑さだ。
それでも暑さにはあまり強くないだけに、
日陰でも眩暈を起こしそうだ。
(…こいつがこんなとこにいなけりゃな…)
目を閉じると隣に屈んだらしい佐助の冷たい手がひやりと額に触れた。
「眩暈?」
「別に、」
「でも涼しいとこだと俺分が悪いし」
困った、と大して困ってもいない表情で佐助は言う。
「…何が、だ」
「だって俺顔に出やすいから照れたりするとすぐバレちゃうでしょ」
もう少し分かりやすくならないのか、と常日頃から思っている。
それくらい佐助の感情は表に出ない(出さない)。
「…顔に出やすい人全員に土下座して謝れ」
「分からないかなぁ、」
分からねぇよ。
肩をぐいと引かれて倒れれば、そこには佐助の脚があって。
あっという間に脚枕になった。
眩しくて目を細めると、
佐助が優しく目を細めたのが一瞬だけ見えた。
「アンタはない?俺と目が合って心臓が止まりそうになったりとか」
頬を撫でるように手の甲が触れて。
不覚にもそれを悪くないと思っている自分がいる。
「それともそれは俺様には秘密?」
愉しそうに覗き込んでくる顔。
眉間に皺を寄せたら軽く触れるキス。
そのキスは目蓋に、鼻の頭に降りてきて、そして口唇に触れた。
「…そういうてめぇはどうなんだよ」
目を真っ直ぐ見ることが出来ないまま呟くように問えば、
「ん?俺はいつだってアンタに触れて心臓が止まりそうだよ」
有り得ないほど真摯な声の返事で。
この分じゃ早々に涼しいところへ逃げ込まなければ逆上せるな、
と既に鈍った頭で思った。
木々に溶け込む気配が、
不思議とすぐにその姿を隠してしまうのだが。
多分それはくうきのようなもので、
意識していないのにすぐ傍にいる。
一度そんなようなことを言ったら、
「くうきはヤダ、居ても居なくても変わらないみたいじゃん?」
と不服そうな表情で言い返された。
だが、捕まえられなくて掴ませてくれなくて、
くうき、というのは実に的を射た言葉だと思った。
「…おい、居るんだろ」
ふらりと教室を抜け出して(授業は軒並みつまらないときている)
足を向けたのは中庭。
教室から見下ろすにしても木が邪魔をして視界が悪く、
実に逢瀬には向いていた。
(これを…そう、呼ぶんならな)
すると降りた音もなく気配がして。
振り返る先に佐助がいた。
「いつも思うんだけど、俺様が居なかったらどうすんの?」
恥ずかしくない?と笑いながら忍は距離を詰めてくる。
それが限りなく0に近くなるまで沈黙する。
「…てめぇが居るから呼ぶんだろうが」
少し高い忍を見上げて言えば黒髪に軽く口付けが落ちて。
「ストレートな告白だねぇ、」
アンタらしくもない、
なんて言うから足を蹴ったがひらりと躱された。
「自惚れんな」
何が告白だ、と悪態をつけば佐助はただ笑っただけだった。
芝生に腰を下ろして手で扇ぐ。
今日はここ連日に比べて気温も落ち着いているし、
からっとした暑さだ。
それでも暑さにはあまり強くないだけに、
日陰でも眩暈を起こしそうだ。
(…こいつがこんなとこにいなけりゃな…)
目を閉じると隣に屈んだらしい佐助の冷たい手がひやりと額に触れた。
「眩暈?」
「別に、」
「でも涼しいとこだと俺分が悪いし」
困った、と大して困ってもいない表情で佐助は言う。
「…何が、だ」
「だって俺顔に出やすいから照れたりするとすぐバレちゃうでしょ」
もう少し分かりやすくならないのか、と常日頃から思っている。
それくらい佐助の感情は表に出ない(出さない)。
「…顔に出やすい人全員に土下座して謝れ」
「分からないかなぁ、」
分からねぇよ。
肩をぐいと引かれて倒れれば、そこには佐助の脚があって。
あっという間に脚枕になった。
眩しくて目を細めると、
佐助が優しく目を細めたのが一瞬だけ見えた。
「アンタはない?俺と目が合って心臓が止まりそうになったりとか」
頬を撫でるように手の甲が触れて。
不覚にもそれを悪くないと思っている自分がいる。
「それともそれは俺様には秘密?」
愉しそうに覗き込んでくる顔。
眉間に皺を寄せたら軽く触れるキス。
そのキスは目蓋に、鼻の頭に降りてきて、そして口唇に触れた。
「…そういうてめぇはどうなんだよ」
目を真っ直ぐ見ることが出来ないまま呟くように問えば、
「ん?俺はいつだってアンタに触れて心臓が止まりそうだよ」
有り得ないほど真摯な声の返事で。
この分じゃ早々に涼しいところへ逃げ込まなければ逆上せるな、
と既に鈍った頭で思った。
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プロフィール
HN:
瑞季ゆたか
年齢:
40
性別:
女性
誕生日:
1984/02/10
職業:
引きこもり人嫌いの営業AS見習い
趣味:
読書・音楽鑑賞・字書き
自己紹介:
◇2006.11.16開通◇
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。
好きな音楽:Cocco、GRAPEVINE、スガシカオ、LUNKHEAD、アジカン、ORCA、シュノーケル、ELLEGARDEN、LINKIN PARK、いきものがかり、チャットモンチー、CORE OF SOUL、moumoon…などなど挙げたらキリがない。じん(自然の敵P)さんにドハマり中。もう中毒です。
好きな本:長野まゆみ、西尾維新、乙一、浅井ラボ、谷瑞恵、結城光流(敬称略)、NO.6、包帯クラブ、薬屋シリーズなどなど。コミック込みだと大変なことになります(笑)高尾滋さんには癒され、浅野いにおさんには創作意欲を上げてもらいつつ…あでも、緑川ゆきさんは特別!僕の青春です(笑)夏目友人帳、好評連載中!某戦国ゲームにハマり我が主と共に城攻めを細々とのんびり実行中(笑)サークル活動も嗜む程度。他ジャンルに寄り道も多く叱られながらも細々と更新しています…たぶん。
備考。寒さに激弱、和小物・蝶グッズとリサとガスパールモノ・スヌーピーモノと紅茶と飴と文房具…最近はリボンモノもこよなく愛する。一番困るのは大好物と嫌いな食べ物を聞かれること。
気まぐれ無理なくリハビリのように文章やレポを書き綴る日々…褒められて伸びるタイプです。